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「もともと売れなかったものなんだろう?」百貨店で値切り交渉した義父の土産話→嬉しそうな自慢の中身に残るモヤモヤ

もともと売れなかったものなんだろう百貨店で値切り交渉した義父の土産話→嬉しそうな自慢の中身に残るモヤモヤ

義父からの嬉しい申し出

夫と私が家を購入したのは、もう数年前のこと。

間取りに余裕はあるものの、白い壁の余白がどうにも寂しく、家族の話題にときどき上がっていた。

夏前に義実家を訪ねた時、リビングを見回した義父が目を細めた。

「ここの壁さみしいな。絵とか壁掛け時計とか飾ったらどうだ。電車でちょっと行って俺が買ってきてやる」

定年後で時間に余裕があるとはいえ、わざわざ遠出してまで選んできてくれるという。私たち夫婦は恐縮しつつも、義父の好意を素直に受け取ることにした。

お盆に披露された土産話

お盆休みに義実家を訪ねると、奥の和室に油絵と鳩時計がうやうやしく並べられていた。

海外製の絵は色合いが上品で、年季の入った鳩時計も、確かに家の壁を引き締めてくれそうだった。

「都心の百貨店まで足を運んだんだぞ」

義父は座布団の上で得意げに胸を張った。

問題はそこからだった。値下げ札のついた油絵を見つけた義父は、店員にこう交渉したのだという。

「もともと売れなかったものなんだろう?もう少し下げられないのかね?」

義父はその一言を、こちらに何度か繰り返した。

悪びれる様子は微塵もない。むしろ、いい買い物をしたと言わんばかりの口ぶりだった。

嬉しそうな顔の奥にあるもの

会計の場面でも、駐車券の有無を尋ねる店員を相手に、義父は引き下がらなかったらしい。

「車で来た人は駐車券があるけれど、電車で来た人は何も無いのはちょっとどうかね。特急で30分かかったんだけどねぇ」

あくまで百貨店のサービスが行き届かないとでも言いたげな調子で、義父は得意げに鳩時計を撫でていた。

夫の隣で、私は曖昧な笑みを返すしかできなかった。義父に悪意があるわけではない。むしろ嫁や息子のために動いてくれた厚意は本物だ。それでも、店員に向けたあの言葉のひとつひとつを、嬉しそうな表情で再現される時間が、私にはどうにも居心地が悪かった。

家に戻り、いただいた油絵をリビングに掛けながら、夫と顔を見合わせて小さなため息をついた。

「ありがたいんだけどね」と前置きをしてから、これからお義父さんに何かを買ってきてもらうのは丁重にお断りしようと話し合った。

額縁の重さよりも、義父の自信満々な土産話の方が、ずっしりと胸に残った夏のお盆だった。あの百貨店の店員さんは、今もどこかで仕事を続けているのだろうか。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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