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「昨日は傘、持っていなかったよね」住んでいる場所を教えた覚えのない私に、先輩が言い続けてきた言葉

「昨日は傘、持っていなかったよね」自宅の場所まで教えた覚えのない私に、先輩が言い続けてきた言葉
誰から見ても、評判のいい先輩だった
前の職場に、周囲から頼りにされている先輩がいた。質問をすれば丁寧に教えてくれるし、忙しいときでも嫌な顔ひとつしない。私も入社したばかりの頃は、ずいぶん助けてもらった。
「わからないことがあったら、いつでも聞いてね」
その言葉が心強くて、仕事で困るたびに先輩の席まで相談に行っていた。
仕事を覚えられたのは、この人のおかげだと思っていた。
少し気になるようになったのは、入社して半年ほど経った頃だった。
「彼氏はいるの?」
「どの辺に住んでるの?」
仕事とは関係のない質問が増えてきた。私は深く考えず、住んでいる地域についても大まかな範囲だけ答えた。住所やアパートの場所まで話したことはない。
偶然だと思おうとしていた
ある朝、給湯室で顔を合わせた先輩から、突然こんなことを聞かれた。
「昨日は帰り、遅かったの?」
前の日、私は友人の家に寄っていて、帰宅したのはかなり遅い時間だった。ただ、その予定を職場で話した覚えはない。
「少し遅かったかもです」
そう答えながらも、どうしてそんなことを聞くのだろうと引っかかった。
それからも、ときどき似たようなことを言われた。
「昨日は傘、持っていなかったよね」
その言葉だけなら、会社に着いたところを見られていたのかもしれない。
帰宅時間のことも、たまたま聞いただけなのかもしれない。
一つひとつなら説明はつく。それでも何度か続くうちに、私は先輩と話すたびに身構えるようになっていた。
理由が分からないことが、いちばん怖かった
先輩がなぜ知っていたのかは、最後まで分からなかった。会社の駐車場で会ったことがあるので、私の車を知っていたことは確かだ。ただ、それ以上のことは全部私の想像でしかない。
先輩は相変わらず周囲から慕われていて、私にもいつも通り穏やかに接してきた。
「気をつけて帰ってね」
その言葉さえ、以前のようには受け取れなくなっていた。
その後、私は事情があって部屋を引っ越した。職場では私生活の話をなるべくしないようにし、先輩との会話も仕事に必要な範囲だけにした。すると、いつの間にかあの手のことを言われることもなくなった。
結局、本当に何かをされていたのかは分からない。ただ、知られている理由を自分で説明できないことが、これほど不安になるのだと初めて知った出来事だった。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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