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「親は何をしているんだ」子どもが走り回る朝食会場。子供の行動と親の対応に思わず絶句

走り回る子どもたち、親は席で手元を見ていた
数年前の旅行先で、ホテルの朝食バイキングに下りたときのことだ。
窓際の席に着き、コーヒーを注いで戻ってくると、会場の空気がいつもと違うことに気づいた。
小学生くらいの子どもが5人、テーブルの列のあいだを走り回っていた。
誰かが声を上げると、応えるように別の子が声を上げる。
料理を取りに行く人が、そのたびに足を止めて道をあけていた。
五十を過ぎた私も、子どもが騒ぐこと自体に目くじらを立てるつもりはない。
旅先で気分が高ぶるのは分かる。ただ、その子たちが向かった先が問題だった。
ゆで卵の入った容器の蓋を、次々と持ち上げられていく。
トングは使われていなかった。
「親は何をしているんだ」
子どもたちが戻っていく方向を目で追うと、奥のテーブルに大人が数人かたまって座っていた。
全員が、手元の端末に目を落としている。子どもが自分の席の横を走り抜けても、顔を上げる気配はなかった。
スタッフが親のテーブルへ行き、具体的に伝えた
私は席を立ち、ドリンクの台の近くにいたスタッフに声をかけた。
見たままを伝えるしかなかった。
「手で触るのはどうなの」
そこまで言うと、スタッフはすぐに事情を飲み込んだようだった。
「ご迷惑をおかけしております。すぐに確認いたします」
スタッフは料理の並ぶ台へ向かい、子どもたちと目線を合わせて何か話しかけた。
子どもたちはうなずき、いったん席のほうへ戻っていく。会場が静かになり、私は残りのパンに手を伸ばした。
だが、それも長くは続かなかった。また同じ声が上がり、同じように蓋が持ち上げられた。
スタッフは今度は、子どもたちのほうへは行かなかった。
奥のテーブルへまっすぐ歩いていき、手元を見ている大人たちに、静かに声をかけた。
「こちらのお料理は、ほかのお客様も召し上がるものですので」
責める調子ではなかった。何が困るのかを、そのまま言葉にしていた。
「衛生のため、お子さまが直接お手を触れられませんよう、ご協力をお願いできますでしょうか」
大人たちが、はじめて顔を上げた。ひとりが端末を伏せてテーブルに置き、椅子を引いて立ち上がる。ほかの大人も続いた。
「すみません、気づかなくて」
子どもたちが呼ばれ、それぞれの席に座らされていく。
「座って食べなさい」
会場の音は、皿とカトラリーのものに戻った。私はようやく、冷めかけたコーヒーを飲み干して、朝食の続きに戻ることができた。伝えるべき相手は、子どもたちではなかったのだと思う。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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