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「お年玉は、一律1000円にしましょう」そう決めたはずの親戚のあいだで、私がもう一度相談したワケ

「お年玉は、一律1000円にしましょう」そう決めたはずの親戚のあいだで、私がもう一度相談したワケ
「一律にしましょう」と決めた、あの年末
一人目を産んだ年、親戚のあいだでも同じ年に子どもが二人生まれた。
年末、その子たちの親と台所で立ち話になったとき、私のほうから言った。
「お年玉は、一律1000円にしましょう」
まだ赤ん坊で、お金の意味も分からない年ごろだ。額を揃えてしまえば渡す側も気を張らずにすむし、もらう側も気を遣わない。二人ともすぐにうなずいてくれた。
「そのほうが、みんな気楽だよね」
それから数年は、本当にそのとおりだった。年末に同じ柄の袋をまとめて買い、名前を書いて、机の上に並べる。同じ額を入れて、正月に手渡す。迷う時間はどこにもなかった。
けれど子どもは育つ。あの子たちは小学生になり、下に弟や妹が生まれ、ほかの親戚の家にも赤ん坊が増えた。顔ぶれが変われば、決めたときの前提も変わっていく。それでも金額の相談は、誰からも出ないままだった。
袋を開けてから、去年の額を思い出す
変化に気づいたのは、正月が終わってポチ袋を開けたときだった。
前の年より額が上がっていたり、兄弟で入っている額が違っていたりする。
もちろん、そこにわだかまりはない。
子どもの年が近くても、親の年齢も家の事情もそれぞれ違う。
毎年みんなを家に呼んでくれる家もあれば、両手いっぱいの土産を提げて来る家もある。金額だけを並べて比べるものではないのだ。
ただ、準備のたびに手が止まった。
「去年、いくら入っていたっけ」
いただいたお祝いとお年玉は、そのつどノートに書き留めている。
めくれば答えはすぐ出る。出るけれど、毎年めくっている自分に、あるとき気づいてしまった。
言い出すのは気が引けた。決めごとを蒸し返す人だと思われたくなかったからだ。
それでも、黙っているかぎり、この手の止まる時間は毎年やってくる。その年の集まりで、子どもたちが隣の部屋へ行ったあと、私は湯呑みを置いて切り出した。
「あのとき決めたきり、そろそろ決め直さない?」
言いにくいことを言ったつもりだった。けれど返ってきたのは、ためらいではなかった。
「実は毎年、迷ってたの」
「うちも。去年いくらだったか、毎回思い出してから入れてた」
誰も言い出さなかっただけで、みんな同じことを考えていた。話はそこから早かった。学年で区切る形にして、進学の節目で揃える。それだけ決めて、その日は解散した。
次の正月、ポチ袋を用意する時間はあっけないほど短かった。ノートをめくらずにすむ年が、久しぶりに戻ってきた。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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