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「あんたのお金を勝手に使ったの」母から告げられた小学生時代の思わぬ事実。だが、怒りよりも先に出てきた気持ちとは

「あんたのお金を勝手に使ったの」母から告げられた小学生時代の思わぬ事実。だが、怒りよりも先に出てきた気持ちとは
四男の口座
私は、四人兄弟の末っ子です。上に三人の兄がいて、家の中ではいつも一番下でした。
子どもの頃、なぜか私の銀行口座にだけ、まとまったお金が入っていたそうです。
お年玉や祝いを、親がこまめに預けていたのだと、あとになって聞きました。
上から二番目の兄が県外の大学へ進むことになったのは、私がまだ小学生の頃です。
実家を離れて暮らすには、まとまったお金がいります。
長男の兄も、いくらか援助したと聞いています。
そのときの私は、自分の口座のことなど何も知りません。
ただ、兄が遠くの学校へ行くらしい、とだけ思っていました。
20代後半で聞かされた夜
その話を知ったのは、私が20代後半になった頃です。
仕事帰りに実家へ寄った夜、母が思い出したように切り出しました。
「あんたに、言っておきたいことがあってね」
湯呑みを置いて、母は少し言いにくそうにしています。
「あんたのお金を勝手に使ったの」
二番目の兄の学費が足りなかったとき、私の口座からも一部を出していたのだといいます。
小学生だった私の貯金です。金額を聞いて、思っていたより大きいことに驚きました。
「勝手に使って、ずっと言えなかった。ごめんね」
母は、そう頭を下げました。責める気持ちが湧かなかったと言えば、嘘になります。
ただ、あの頃の家の台所事情を思えば、母を一方的に責める気にもなれませんでした。その夜は、そうだったんだ、と返すのが精一杯だったのです。
兄が選んだ返し方
その頃、二番目の兄とは、なかなか会う機会がありませんでした。
お互い暮らす土地も離れて、法事で顔を合わせるくらいです。
使われたお金のことを、兄と話す機会もないままでした。
流れが変わったのは、二年ほど前です。兄のほうから、連絡がきました。
「あのときのお金、少しずつでも返させてくれ」
それから兄は、毎月きちんと返しに来てくれます。
無理のない額を、欠かさずに。会うたびに、子どもの頃の話や、昔の家のことを少しずつ話すようになりました。
完済まで、あと二年ほど。正直なところ、返ってくる金額そのものより、毎月顔を出してくれる律儀さのほうが、私にはうれしいのです。
黙って使われたことより、こうして向き合ってくれる今のほうが、ずっと近くに兄を感じています。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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