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「料理は苦手なのね」お盆の親戚の集まりで、私を馬鹿にした義母。だが、夫が料理を作った時の一言に救われたワケ

お盆の台所に立った日
結婚して三年目のお盆でした。夫の実家には義父母と夫の兄夫婦、叔母や従兄まで、その日は親戚が集まっていました。
玄関で挨拶をしたとき、私はつい前置きをしてしまいました。
「お料理は不慣れですが、お手伝いだけでもさせてください」
夕方、台所で人参を切っていると、義母が横から手元をのぞき込みました。それから居間まで届く声で言ったのです。
「料理は苦手なのね」
誰かが笑い、つられて笑い声が広がりました。
「うちの家系はみんな料理上手だから、ちょっと心配だわ」
「すみません、まだ慣れてなくて」
笑って返しましたが、人参を押さえる左手が震えていました。包丁を置き、手を洗うふりをします。
麦茶を取りに来た夫と、そこで目が合いました。夫は少し笑って、そのまま居間へ戻っていきました。
帰りの車で言えたこと
高速に乗るまで、車の中は無言でした。信号で止まったとき、それだけ言いました。
「フォローしてほしかった」
「……ごめん」
夫はハンドルを握ったまま、それきり黙っていました。理由を聞いても、答えは返ってきません。涙が止まらないのが自分でも嫌でした。
秋のお彼岸の鍋
次に実家へ行ったのは、秋のお彼岸です。玄関を上がるなり、夫が言いました。
「母さん、今日は俺が作るから」
「あなたが?」
義母は笑いましたが、夫は台所へ入って鍋を出しました。だしを取り、里芋の皮をむいて煮物を仕上げていきます。私は隣で、聞かれたことに答えるだけでした。
大皿が居間に運ばれると、叔母が箸を止めました。
「あら、おいしい。あなた、こんなことできたの」
「これ、妻の唯一の得意料理で教わったんだ。夏のあいだ、うちで何度も作ってもらったから」
義母の手が、取り皿を持ったまま止まりました。何か言いかけて、口を閉じます。兄嫁が小さくうなずいたのが見えました。
「……そう。上手じゃないの」
台所を片づけていると、義母が横に立ちました。
「この前は、言い方が悪かったわね」
「あの日は、こたえました」
義母はうなずいて、乾いた皿を棚に戻していきました。それ以上は何も言われませんでした。
帰りの車で、夫がぽつりと言いました。
「あの場で言い返したら、君が余計に居づらくなると思ったんだ」
「うん」
「でも本当は、ただ動けなかっただけ。それが情けなくて、車の中で言えなかった」
ワイパーの音だけが、しばらく続きました。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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