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「明日は私が仕切ります」祖母の葬儀の打ち合わせ。だが、参加した親戚に感じた違和感とは

明日は私が仕切ります祖母の葬儀の打ち合わせだが参加した親戚に感じた違和感とは

祖母の葬儀を知らせた翌日の電話

母を早くに亡くしてから、祖母の身の回りのことは、ほとんど私が担ってきました。

最後の数年間は介護のために通い、最期の瞬間にも立ち会いました。

祖母が亡くなり、通夜と告別式の日程が決まった翌日。

親戚へ連絡を終えたばかりの私のもとに、一本の電話が入りました。

亡くなったのは、祖母の姉でした。

二か月ほど前から意識が戻らない状態が続いていたそうです。

電話をかけてきたのは、祖母の姉の息子にあたる親戚の男性でした。

「おばあさんが、姉さんを迎えに来てくれたんやろな」

そう話したあと、男性はひとつの提案をしました。

「どうせなら、二人を同じ日に送ってやらんか」

二人の葬儀には、共通する親戚が何人も参列します。

遠方から来る人も多いため、同じ日に同じ会館で続けて行えば、負担を減らせます。

私たちは葬儀社に相談し、両家の葬儀を同じ日に行う方向で話を進めることにしました。

20分で決まったはずの打ち合わせ

その日の夕方、私と夫、親戚の男性、葬儀社の担当者の三人で打ち合わせを行いました。

「進め方は、そちらのお家に合わせていただいて構いません」

私がそう伝えると、担当者は受付に必要な人数や、会場へ入る車の台数を確認していきました。

二つの家の香典や受付は分けること。

参列者の席も、それぞれの親族が分かりやすいように配置すること。

車は混雑しないよう、到着する時間を少しずらすこと。

二十分ほどで、当日の流れはほぼ決まりました。

担当者がボールペンにキャップをしようとした、そのときです。

「待ってくれ。こういうことは、香典の話より先に段取りをきちんと決めんとあかん」

親戚の男性が湯呑みを置き、座り直しました。

私は少し不思議に思いました。

段取りなら、今まさに決まったところだったからです。

1時間かけて元の案に戻る

男性の話は、受付に誰を立たせるかという話から始まりました。

そこから席順に移り、車の割り振りの話になったかと思えば、二十年前に開かれた親戚の集まりの思い出話へ。

さらに当日の食事の数に話が飛び、しばらくすると、また受付の並びへ戻ってきました。

「こういうのはな、順番を間違えたらあかんのや」

担当者が何度か口を開きかけます。

ところが、そのたびに男性が言葉を重ねました。

「あ、それで思い出したんやけどな」

担当者は口を閉じ、冷めたお茶に手を伸ばします。

私も同じように、湯呑みを持ち上げました。

壁の時計が午後8時を回ったころ、男性はようやく話を止めました。

担当者が、少しかすれた声で尋ねます。

「それでは、当日はどのようにいたしましょうか」

男性は腕を組み、少し考えたあとで答えました。

「そうやな。やっぱり、最初に決めた形がいちばん無理がないわ」

1時間かけて話し合った結果、結論は最初の案とまったく同じでした。

担当者は一度も使わなかったボールペンを、そっと自分のほうへ引き寄せました。

「では、当初の予定どおり進めさせていただきます」

「そやそや。やっぱり、ちゃんと話し合うことが大事やな」

男性は満足そうにうなずき、上着を手に取ります。

私と担当者は、何も言わずに目を合わせました。

「明日は私が仕切ります」

男性を玄関で見送ったあと、担当者が私に向かって小さく頭を下げました。

「明日の進行は、私が責任を持って仕切らせていただきます」

打ち合わせ中には見せなかった、強い意志を感じる表情でした。

「ぜひ、お願いします」

私は思わず、深く頭を下げました。

祖母たちを静かに見送るためには、それがいちばん安心できる方法だと思ったのです。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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