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「来ちゃった、勝手に開けたわよ」合鍵で上がり込み台所にまで立った義母。だが、夫の一言で態度が一変
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「来ちゃった、勝手に開けたわよ」合鍵で上がり込み台所にまで立った義母。だが、夫の一言で態度が一変
休日の玄関が開いた音
土曜の昼下がり、玄関の鍵が回る音がした。
夫はリビングでテレビを見ている。宅配便かと思って顔を上げた瞬間、扉が開いた。
「来ちゃった、勝手に開けたわよ」
義母が、買い物袋を提げて立っていた。
「え、鍵は…」
「あら、聞いてないの。合鍵をもらってるのよ」
夫を見た。夫は気まずそうに視線を逸らした。引っ越しの時に渡していたのだという。私はその日、初めてそれを知った。
義母は靴を脱ぐと、まっすぐ廊下を進んでいった。
「この収納の仕方、効率が悪いわね」
「掃除はもっとこまめにしないと。ほら、ここに埃」
棚を開け、指で桟をなぞり、順番に点検していく。
家のことは全部自分のやり方が正しい。義母はそういう人だった。私は後ろをついて回ることしかできなかった。
「洗濯物のたたみ方も、うちのやり方があるのよ」
「すみません、私のやり方で…」
「謝らなくていいの。教えてあげてるんだから」
買ってきた食材を勝手に冷蔵庫へ入れながら、義母は次々と指示を出した。断る隙がどこにもなかった。
鍋の蓋を取った手
義母の足は、そのまま台所へ向かった。
コンロには、夕飯用の煮物の鍋がかけてあった。義母は当たり前のように蓋を取り、味見をする。
「あなたの料理は味が薄いのよ。私が作ってあげる」
「あの、それは今夜の分で」
「いいから座ってなさい」
私の返事も待たずに、義母は冷蔵庫を開けた。
中の物を勝手に取り出し、うちの鍋に自分の味を足していく。
そこへ、リビングから夫が立ってきた。
「母さん、勝手に入るのはやめて。鍵は返して」
普段は義母に何も言わない夫の、聞いたことのない口調だった。義母は菜箸を持ったまま振り返る。
「何言ってるの。家族なんだから、いいじゃない」
「ここは俺たちの家だから」
短い一言だった。義母の手が止まる。
「……私は、心配して来てあげてるのよ」
「来る時は連絡して。玄関で待つのが普通だろ」
義母は口を開きかけ、何も言えずに閉じた。助けを求めるように私を見たが、私は目を逸らさずに言った。
「私も、そうしていただけると助かります」
義母は菜箸を置いた。それからバッグを探り、テーブルに合鍵を置く。小さな金属音が、やけに大きく響いた。
「……じゃあ、帰るわ」
買い物袋も持たずに玄関へ向かい、そのまま帰っていった。ドアが閉まった家の中は、驚くほど静かだった。
それから、アポなしの訪問は一度もない。今は来る前に必ず電話が入る。「そちらの都合はどう」と、遠慮がちに聞いてくるようになった。台所に立つのも、私だけだ。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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