Share
「サイズが合わないから奥さんにあげて」と言いつつ不用品を押し付ける義母。しかし、夫が電話で私を庇ってくれた瞬間

「サイズが合わないから奥さんにあげて」と言いつつ不用品を押し付ける義母。しかし、夫が電話で私を庇ってくれた瞬間
頼んでいない荷物
休日の昼下がり、私宛に身に覚えのない荷物が届いた。差出人の欄には、義母の名前があった。
箱を開けると、中身は一枚のカーディガンだった。真新しくはなく、明らかに誰かが一度は袖を通したものだ。
(なんで、これが私に……?)
戸惑っていると、夫の携帯に義母から電話が入った。スピーカーの向こうから、悪びれのない声が聞こえてくる。
「サイズが合わないから奥さんにあげて」
通販で買ったものの、自分には合わなかったのだという。
だから、いらないものを私に回してきたというわけだ。
「新しいうちに使ってあげてね。もったいないから」
義母は電話の向こうで、親切のつもりなのか、そう付け加えた。私は、相槌を打つのがやっとだった。
当てつけのような贈り物
電話を切ったあと、私はしばらく箱の前で立ち尽くしていた。
プレゼントなら、まだ嬉しい。けれどこれは、義母が「自分には不要」と判断したものだ。それをわざわざ、嫁の私に送りつけてくる。
(要らないから、あなたにあげる。そういうこと……?)
これまでも義母は、不要な品を、たびたび我が家に押しつけてきた。
今回で、はっきりわかってしまった。私は、義母が持て余した品の行き先なのだ。
以前も、封を開けた菓子折りを「口に合わないから」と持たされたことがあった。そのときは笑って受け流したが、こうも続くと、気持ちがすり減っていく。
夫が引いた一線
その夜、帰宅した夫に、私は箱を見せて正直な気持ちを打ち明けた。
「これ、私に使ってって…正直、ちょっと悲しかった」
夫はカーディガンを手に取り、しばらく眺めてから、眉をひそめた。
「これ、母さんのお下がりじゃないか」
そして、その場で義母に電話をかけた。
「母さんのお下がり、失礼だよ」
「自分がいらないものを嫁に送るって、それ、贈り物じゃないよ。妻に失礼だから、もうやめて」
電話の向こうで、義母が言い訳をしかけたのが聞こえた。けれど夫は引かなかった。義母は最後まで言葉に詰まり、「……わかったわ」とだけ返して電話を切った。
それ以来、義母からの一方的な荷物は、ぴたりと届かなくなった。
私はあのカーディガンを、迷わず処分した。心は、驚くほど軽かった。
「言ってくれて、ありがとう」
私がそう言うと、夫は「当たり前だろ」と笑った。
次に義母と顔を合わせたとき、以前のような遠慮のなさは、もうなかった。荷物を送りつける代わりに、「これ、要る?」とこちらの都合を先に尋ねるようになったのだ。
たった一枚のカーディガンだったけれど、夫が引いてくれた一線は、確かに義母に届いていた。もう、誰かの不要品を黙って抱え込む必要はない。そう思えるだけで、心はずっと軽かった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


