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「孫の顔を見せないなんて薄情よ」と怒る義母。だが、私が連れて行かない理由に言葉が出なかった

どうしても気になる家
夫の実家は、訪れるたびに気が休まらない家だった。
「ごはん、たくさん食べていってね」
義母はそう言って料理を並べてくれる。気持ちはありがたい。けれど、出される食器の縁が気になったり、台所まわりがどうにも整っていなかったり、気になることが多かった。
一番落ち着かないのは、犬のことだ。日中は外で飼っているのに、夜になると洗わないまま家の中に入れて、放し飼いにしている。
「犬も家族だもの。一緒にいたいでしょう」
泥のついた前足のまま座卓の周りを歩き回る犬を見て、私はそっと箸を置いた。それでも当時は、波風を立てたくなくて何も言えずにいた。
「お義母さん、犬は別の部屋にしてもらえると助かります」
そう言いかけても、笑顔でかわされてしまう。夫も間に入ってくれたが、義母には長年の暮らし方で、変えるつもりはないようだった。気にしすぎだと言われれば、踏み込めなかった。
子どもが生まれて
やがて、子どもが生まれた。小さな体を抱いた瞬間、私の中で何かがはっきり決まった。
(この子を、あの環境に連れて行くことはできない)
夫にも、自分の正直な気持ちを伝えた。
夫は何度か実家に改善をお願いしてくれたけれど、状況は変わらなかった。
初孫の誕生を、義母はとても喜んでいた。だからこそ、訪問をぱったりやめた私に、催促の連絡が何度も入るようになった。
「いつ連れてきてくれるの。みんな待ってるのよ」
夫がやんわり断っても、義母は引かなかった。ある日の電話では、声を尖らせてこう言った。
「孫の顔を見せないなんて薄情よ」
その言葉を、夫越しに聞いた。いつもなら夫に任せていた。でもこの件だけは、自分の口で伝えなければと思った。
自分の言葉で
私は受話器を代わってもらい、義母にまっすぐ向き合った。
「衛生面が心配なので連れて行きません」
電話の向こうで、義母が一瞬、言葉に詰まった。
「……薄情とは思いません。生まれたばかりの子を守るのは、親の務めですから」
義母は何か言いかけて、口ごもった。犬を家に上げていること、台所のこと、具体的な理由を私が静かに並べていくと、反論の声はだんだん小さくなっていった。
「……そう。あなたがそこまで言うなら」
最後はそれだけ言って、義母は電話を切った。隣で聞いていた夫が、ほっとした顔で私を見た。
「よく言ってくれたな。俺が何回言ってもダメだったのに」
それから先、無理な催促はぱたりとやんだ。会いたいときは、こちらが場所を選んで外で会う。そう線を引いてからは、義母も以前のように押してこなくなった。はっきり伝えて、よかった。私はもう、あの食卓で箸を置くことはない。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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