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「あれ、なんで動けないんだろう」歴史好きなのに鎌倉だけ足が竦む私。古都の片隅で足が動かなくなった理由とは

史跡巡りが大好きなのに鎌倉だけは別だった
歴史好きが高じて、若い頃から城跡や離宮、寺院をひとりで巡るのが趣味だった。事前に時代背景を細かく調べ、その場に立って空気を吸い、過去に想いを馳せる時間がたまらなく好きだった。
誰がそこで何を決断し、何を失ったのか。資料を片手に当時の地形を想像しながら歩く休日は、私にとって何にも代えがたいご褒美だった。
京都も奈良も会津も平泉も、行けば必ず胸が高鳴る。ところが、なぜか鎌倉だけは出かける前から気が進まなかった。
他の政治の中心地はどこも問題ないのに、鎌倉と聞くと一拍だけ呼吸が浅くなる。歴史好きとしては避ける理由がないのに、年に何度も旅行計画を立てては鎌倉だけ後回しにする自分が不思議でならなかった。
「歴史的に重要な都市なのに変だな」
友人とのおしゃべりで何度かそう口にしたが、自分でも理由が分からなかった。
古都の片隅で足が動かなくなった
30代半ば、思い切って鎌倉を散策した日のこと。
鶴岡八幡宮も古刹の寺院も、参拝中はむしろ清々しいくらい何ともなかった。境内では呼吸も深くなり、長居したくなるくらい心地よかった。ところが市街の一角に差しかかった瞬間、急に足が地面に張り付いた。
「あれ、なんで動けないんだろう」
動悸がする。汗が滲む。膝が震えて、立っているだけで精一杯になった。
海にも入れなかった理由が分からない
同じ旅で立ち寄った鎌倉の海も、私には駄目だった。生まれ育った地は海と一級河川に囲まれた町で、水辺は子どもの頃からの遊び場だ。
なのに鎌倉の砂浜では波打ち際にすら近づけず、遠目に眺めるだけで胸が苦しくなった。
「もしかしたら、ここで津波にでも遭ったのかもしれない」
そんな突飛な考えが、その瞬間だけ妙に腑に落ちた。
京都のいわゆる魔界スポットも巡ったが、ここまで強い拒否反応は出ない。
前世というものを信じる性質ではないけれど、あの一日だけは説明のつけようがなかった。
あれから10年以上が経つが、いまも鎌倉の地名を見るだけで指先がほんの少しだけ冷たくなる。理由を確かめたい気持ちと、確かめたら戻れない気がする恐れが、いつも私の中で半分ずつ綱引きをしている。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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