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「最近気味が悪いの」彼女を待ち伏せしていた隣人が職場で「お嬢さんに会わせて」と言ってきたワケ

「最近気味が悪いの」彼女を待ち伏せしていた隣人が職場で「お嬢さんに会わせて」と言ってきたワケ
人助けのつもりだった夕食
会社員の頃、寮で恋人と同棲していた時期の話だ。
隣家には90代の爺さんが一人で住んでいて、地元では知らぬ者がいないほどの有力者として、勤め先の会社も古くから世話になっている人だった。
爺さんは一人暮らしの寂しさからか、頻繁に私たちを夕食に呼んだ。
戦時中の武勇伝、勲章を授かった日の様子、若かりし頃の恋人の話。
同じ話を何度も繰り返したが、毎回新鮮そうに語る顔を見ていると、こちらまで何度目かを忘れた。
「これも人助けだ」と自分に言い聞かせ、根気よく相槌を打ち続けた。
会社の上司も「あの爺さんを大事にしておけば困ったときに助けてくれる」と言うので、夕食招待は半ば仕事のうちだとも思っていた。彼女も最初の数ヶ月は笑顔で付き合ってくれていた。
ところが3ヶ月ほど経った夜、帰宅した彼女が玄関で立ち止まった。手にした鞄を下ろさず、こちらを見上げて言った。
「最近気味が悪いの」
「朝も夜もお爺さんに会う」
囲いの隙間から覗いていた90代
聞けば、爺さんは自宅の囲いからこちらを覗き、彼女が出てくるのを毎日待ち伏せしていたという。
出勤の朝も、夕方の買い物も、ゴミ出しの一瞬さえも、必ず視線があった。
気づいてしまった日からは、玄関のドアノブを握る手まで震えるようになったと彼女は言った。
確かに思い返せば、ゴミを捨てに出ただけの朝、ふと顔を上げると囲いの向こうに白い髪が見える日が増えていた。
当時はただ庭仕事をしているのだろうと流していた。あれは全て待ち伏せだったのだ。
翌週、爺さんはついに会社のロビーにまで現れた。
受付に名指しで頼み込む声が、廊下にまで響いていたという。
「お嬢さんに会わせて」
有力者の名前を出されれば会社側も強く追い返せず、総務から内線で呼び出された彼女は、震えながら下を向くしかなかった。
同僚たちが何事かと振り返るなか、爺さんは笑顔のまま手を振っていたという。
「お嬢さん、今日も家の前で待ってるから」
笑顔のままそう告げる姿が、どうしても怖かった。
彼女の出勤時刻と帰宅時刻だけは正確に把握している。
同じ昔話を毎回新鮮に語る老人が、彼女の動線だけは一度も間違えない。
その矛盾に気づいた瞬間、背筋に冷たいものが走った。
結局、寮を出るしか方法はなかった。
引越し当日、荷物を運び出す軽トラックの後ろにも、囲いの隙間から動かない視線が刺さり続けていた。
あの目線の温度を、十数年経った今でも忘れられない。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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