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「少し雨か」高速道路で運転中に雨が降ってきた。すぐに止むと思っていた私に待っていた恐怖

「少し雨か」高速道路で運転中に雨が降ってきた。すぐに止むと思っていた私に待っていた恐怖
夜の高速道路、予報になかった雨の気配
数年前のことです。子供を後部座席に乗せて、高速道路を走っていました。
出発前に天気予報は確認していました。その時点では、大きな崩れはない見込みでした。
夜の高速は、街灯の間隔が広い区間に入ると、前のヘッドライトとテールランプだけが頼りになります。
私はカーナビのルート案内を確認しながら、いつもどおりの速度で走り続けていました。
後部座席の子供は、スマートフォンでアニメを見ながら、時折声を上げて笑っています。
その声を聞いているうちは、夜道も怖くありませんでした。
最初の異変は、フロントガラスに大粒の雨が打ちつけはじめたことです。
最初は「少し雨か」と思いました。しかし十秒もしないうちに、その認識はまったく追いつかなくなりました。
雨の量が、一気に跳ね上がったのです。
ワイパーを全開にしても、前が見えなかった
「前が見えない」
思わずひとりごとのように口から出ていました。
ワイパーを最高速に切り替えました。それでも追いつかない。
フロントガラスの向こうが、白いカーテンを引いたように霞んでいます。
高速道路の路面が、どこにあるかかろうじて分かる程度。前を走る車のテールランプが、霧の奥の赤い光のように薄くしか見えません。
後部座席の子供が、アニメを止めて窓の外を覗きました。
「お母さん、すごい雨だね」
声は明るいままでした。
私は努めて落ち着いた声で、「そうだね、勢いがすごいね」と返しました。
でも、次のインターチェンジまで、何キロも先です。
路肩に止まれば後続車に追突されるリスクがある。前に進むしか選択肢がないのに、その前が見えないのです。
ハンドルを握る手が、汗で湿っています。
スピードを落としながら、ハザードランプを点灯させて、路肩から少し距離をとって走り続けました。
それから数分後、雨は突然、嘘のように止みました。
線状降水帯が、ちょうど私たちの走るルートを横切っていたようでした。
後から地図を見ると、数キロ幅の帯の中を、まっすぐ通り抜けていたことが分かりました。
インターを降りて、近くのコンビニの駐車場に止めました。
子供が首をかしげています。
「ちょっとだけ休憩しよう」
車のエンジンを切って、しばらくそのまま座っていました。
あの数分間のことを、今でも思い出すたびに背筋がすっと冷えます。
夜の高速道路は、次のインターまで止まれない。その現実を、身をもって知った夜でした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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