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「社会の常識も知らないの?」と威張り散らすベテランスタッフ。だが、注意された派遣スタッフの対応で状況が一変

仕事より威張ることが得意な先輩
「先輩ヅラ」
同僚たちが陰でそう呼んでいた人物がいた。
チェーン店のスタッフとして働き始めてしばらくした頃、店の中に一人、妙に威張り散らすベテランの女性スタッフがいた。
仕事の回転率を上げることよりも、気の合う同僚とのおしゃべりに時間を使う。
そのくせ後輩や新人に対しては、「社会の常識も知らないの?」と細かいことを重箱の隅をつつくように指摘してくる。
私の初日にも、視点のズレた物言いをされた。
反論する気にもなれず「そうですか」と流したけれど、内心ではひどく呆れてしまった。
「なんであの人がそんなに威張れるのか分からない」
同僚と目を合わせてため息をつくこともあった。
でも、先輩という立場がある以上、正面から対立するわけにもいかない。
幸い私とはセクションが違ったので、たまに嫌がらせがあってもスルーしながらやり過ごしていた。
直接ぶつかることは避けつつ、距離を保って自分の仕事に集中する。それが当時の私にできる唯一の対処だった。
それでも、休憩室で「また何か言ってたね」と同僚と小声でやりとりする場面が続いた。
みんな似たような思いを抱えながら、それでも黙って働き続けていた。店の雰囲気は、どこかずっと重苦しかった。
派遣スタッフへの怒鳴りつけが発端に
転機が来たのは、派遣会社から若い女性スタッフが入ったときだった。
その人は飲み込みが早く、手際よく動き、クールに仕事をこなしていた。
頼みやすい人柄でもあったので、周りからの信頼もすぐに厚くなっていった。
ところが、その様子が問題の先輩には面白くなかったらしい。
二人だけのシフトになった日に、派遣の女性スタッフを怒鳴りつけたのだ。
理由は些細なことだったと聞いた。自分より仕事がうまくできる相手を、ただ感情的に叩きにいったように見えた。
怒鳴られた派遣スタッフはその日のうちに派遣元の会社へ連絡した。
報告は本部に届き、エリアマネージャーが店に飛んでくることになった。
問題の先輩は「もう致しません」と一筆書かされた。それだけではなく、今回の件がチェーン全体に知れ渡り、他の店のスタッフにも伝わっていった。
以前のような威張り方は鳴りを潜め、肩身が狭そうにしている姿を見たとき、胸のうちがすっと晴れた気がした。
先輩に怒鳴られていた派遣の女性スタッフは、その後も変わらずテキパキと仕事を続けていた。周りも以前よりずっと動きやすそうだった。声を上げたことで何かが変わった、そう感じられる職場に戻れた気がして、それが何より嬉しかった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、60代以上・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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