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「レジでありがとうがないだろ、俺は客だぞ」トレーを叩きつけた男性。だが、店長が静かに告げた正論

「レジでありがとうがないだろ、俺は客だぞ」トレーを叩きつけた男性。だが、店長が静かに告げた正論
笑顔で接客していたレジに、大きな音が響いた
大学生のころ、私はファストフード店でアルバイトをしていました。
その日はカウンターの内側で、出来上がった商品をそろえる担当でした。レジに立っていたのは、同じ時期に働き始めた女の子です。
彼女は普段から明るく、忙しいときでもなるべく笑顔を崩さない人でした。
そのときレジに来たのは、一人の年配の男性でした。コーヒーなどを注文し、彼女はいつも通り注文を確認していきます。
「お待たせしました。こちらです」
商品を載せたトレーを差し出した、その瞬間でした。
ガタン、と大きな音がしました。
男性が受け取りかけたトレーを、カウンターへ強く置いたのです。
「ちょっと待てよ。レジでありがとうがないだろ、俺は客だぞ」
男性の声に、近くにいた客の視線が集まりました。
彼女は驚いた顔で男性を見ています。
「えっ……すみません。今、お渡ししてから言おうと……」
「あとからじゃ遅いだろ!」
責められた彼女は、「申し訳ありません」と小さく頭を下げました。それでも男性は納得できない様子で、険しい表情のままカウンターの前に立っています。
私はどうしたらいいのか分からず、奥にいた社員へ声をかけました。
店長が伝えたのは、接客の順番ではなかった
少しして店長が出てきました。
「お待たせしました。何かございましたか?」
男性は店長を見るなり、先ほどより少し強い口調で言いました。
「この子さ、商品渡すときに何も言わないんだよ。客にありがとうくらい言うだろ、普通」
店長は男性の話を最後まで聞いてから、彼女にも確認しました。
「はい…トレーをお渡ししてから、ありがとうございましたって言おうとしていました」
彼女の声は少し震えていました。
すると店長は男性のほうへ向き直りました。
「ご挨拶が遅いと感じられたのでしたら、申し訳ありません。ただ、スタッフもまだ接客の途中でした」
男性は眉を寄せました。
「でもさ、こっちは客なんだよ」
店長は少し間を置いてから答えました。
「はい。ですから、最後まできちんと対応させていただきます。ただ、驚くほど強くトレーを置いたり、スタッフを責め続けたりするのはお控えいただけますか」
声は穏やかでしたが、言葉ははっきりしていました。
男性はしばらく店長を見ていましたが、やがて視線を落としました。
「…まあ、分かったよ」
そう言ってトレーを持ち、その場を離れていきました。
男性の姿が離れると、彼女は肩の力が抜けたように息を吐きました。
店長はそんな彼女に、少し声をやわらげて言いました。
「びっくりしたよね。大丈夫?」
「はい…すみません」
「謝らなくていいよ。次のお客様が来る前に、少しだけ奥で休んできて」
彼女は「ありがとうございます」と答え、目元を押さえるようにして奥へ下がりました。
数分後、彼女は再びレジに戻ってきました。
次の客へ商品を差し出し、今度は少しだけ緊張した表情で、それでもいつもの声を出します。
「お待たせしました。ありがとうございます」
私はカウンターの内側でその声を聞きながら、接客する側も一人の人間なのだと、改めて感じた出来事でした。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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