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「車をどかせと言う権利があるのか」怒鳴り込んできた向かいの住人。だが、思わぬ言い分に絶句

「車をどかせと言う権利があるのか」怒鳴り込んできた向かいの住人。だが、思わぬ言い分に絶句
向かいの家の大型車で、角の先が見えなくなった
私の家は、車同士がすれ違うのもやっとの細い生活道路に面しています。
数年前、向かいの家に新しい住人が越してきました。その家では大型犬を何頭か飼っていて、鳴き声や臭いが気になる日もありました。
ただ、近所で特に困っていたのは、家の前に停められている大きな車でした。
バスのような大きさの車で、ちょうど道路の角に近い場所に停まっています。そのせいで、こちらからは角の向こうがほとんど見えません。
自転車や車が急に出てくるたび、ひやっとすることがありました。
近所の人とも、何度かそんな話をしていました。
「あの車があると、本当に見えないですね」
「子どもが自転車で出てきたら怖いですよね」
みんな気にはしていましたが、直接言って揉めるのも嫌で、それ以上のことはしませんでした。
ところがある日の夕方、玄関を強く叩く音がしました。
「おい、ちょっと出てきてくれ!」
驚いて戸を開けると、向かいの住人が険しい顔で立っていました。
そして、いきなりこう言ったのです。
「通報したのはお前か、車をどかせと言う権利があるのか」
私は思わず聞き返しました。
「え?私ですか?私は何も連絡していませんよ」
実際、その時点ではどこにも相談していませんでした。
けれど相手は、まだ疑っているようでした。
「じゃあ誰なんだよ。うちの車が邪魔だって言ったんだろ」
「困っているのは、私だけじゃないと思います」
誰が相談したのか、私にも分かりません。
ただ、相手の勢いに押されて何も言えないまま終わるのも違うと思いました。
私はできるだけ落ち着いて答えました。
「通報したのは私じゃありません。でも、あの車があると角の先が見えなくて、怖いとは思っています」
すると相手は、さらに強い口調で返してきました。
「だから何だよ。どかせって言うのか?」
「私にそんなことを命令する権利はありません。ただ、困っているのは私だけじゃないと思います」
そう言ったところで、相手がふっと道路のほうを見ました。
私も振り返ると、怒鳴り声を聞いたのでしょう。両隣の家から人が出てきて、こちらの様子を見ていました。
誰も何も言いません。
それでも、向かいの住人は周囲を一度見回すと、それまでの勢いをなくしました。
そして何も言わず、自分の家へ戻っていったのです。
そのあと、隣の住民が心配そうに声をかけてくれました。
「大丈夫でした?すごい声だったから……」
「ありがとうございます。私、本当に通報なんてしていないんです」
すると、その人は少し困った顔をしました。
「でも、車のことはうちも気になっていました。あそこ、本当に見えないですからね」
それを聞いて、私も初めて正式に相談してみることにしました。
感情的に相手を責めるのではなく、車があると角の先が見えにくいことや、犬について気になっていることを、自分が実際に見聞きした範囲で伝えました。
その後、ほかの近所の人からも、それぞれ相談したという話を聞きました。
何が直接のきっかけだったのかは、今も分かりません。
ただ、しばらくすると向かいの家には売却の案内が出て、住人は引っ越していきました。
大きな車がなくなった道路は、以前とは見違えるほど角の先まで見えるようになりました。
今では近所の人と顔を合わせると、
「おはようございます」
「今日は暑いですね」
と、何気ない会話を交わしています。
あの日、最初に誰が相談したのかは結局分かりませんでした。
それでも、私だけが気にしすぎていたわけではなかった。それが分かっただけでも、声を上げるきっかけにはなったと思っています。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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