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「10万円、親父に送っておいたから」子どもの貯金と旅行を考えて通帳を開いた私。だが、夫の勝手な行動に絶句

「10万円、親父に送っておいたから」子どもの貯金と旅行を考えて通帳を開いた私。だが、夫の勝手な行動に絶句
通帳の記録に、聞いていない振込があった
夫のボーナスが出た日だった。
子どものための貯金を少しでも増やしたい。
夏のうちに一泊でいいから家族で旅行に行きたい。
頭のなかで使い道を並べながら、私は通帳を持って銀行へ向かった。
数字を見て、どこにいくら回せるかを決めるのが、この日の私のささやかな楽しみだった。
記帳された行を、上から順に目で追っていく。
見慣れた引き落としの並びのなかに、覚えのない振込の記録があった。
送り先は、夫の父だった。金額は10万円。
家に帰って尋ねると、夫はテレビの画面を見たまま、こともなげに言った。
「10万円、親父に送っておいたから」
仕送りそのものを責めるつもりはない。
夫が働いて得たお金だし、親を気にかけるのは当たり前のことだと思う。
義父を悪く言いたいわけでもない。ただ、この口座は家族の生活費がすべて出入りする、うちにとってたった一本の道でもあった。
「聞いてないよ。いつ決めたの?」
そう尋ねると、この前かな、急ぎやったし、と夫は短く答えた。
驚いたのは金額よりも、何ひとつ知らされていなかったことのほうだった。
もし旅行の代金がこの口座から落ちる形になっていたら、入金が間に合わず、楽しみにしていた予定が消えていたかもしれない。
引き落としの予定を、ひとつずつ見せた
できるだけ穏やかに、私は言った。
「残高がギリギリのこともあるから、事前に言ってもらっていい?」
返ってきたのは、思ってもみない言葉だった。
「そんなギリギリなん?やりくり下手やな」
以前の私なら、そこで黙って飲み込んでいたと思う。
けれどこの日は引き下がらなかった。通帳を開いたまま、私はカレンダーを持ってきて、その月に出ていくものを一つずつ指でなぞった。
「これが家賃。ここで電気とガス。水道はこっち。カードの引き落としも同じ週に重なるの」
声を荒らげたわけではない。ただ、順番に見せただけだった。夫の目が、通帳とカレンダーのあいだを何度も行き来していた。長い間があって、小さな声が聞こえた。
「……知らんかった」
その一言で、胸につかえていたものが少しほどけた。
責めたかったわけではない。私はただ、家の中で動くお金を、二人で同じように見ていたかっただけなのだ。
「これからは、出す前にちゃんと言うわ」
それからは、大きなお金が動く前に、夫は必ず一言くれるようになった。
通帳を開くのが、前ほど怖くなくなった。子どもの貯金も旅行の計画も、今度は二人で並べて話している。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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