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「ちょっと。そこに置かないでくれ」ゴミ捨て場にゴミ袋を置くなと言う住人。だが、思わぬ言い分に絶句

「ちょっと。そこに置かないでくれ」ゴミ捨て場にゴミ袋を置くなと言う住人。だが、思わぬ言い分に絶句

ゴミ袋を持ったまま、帰るしかなかった朝

六十を過ぎた今も、朝のゴミ出しは私の役目です。

その日もいつものように袋を提げ、近所の集積所へ向かいました。網をめくろうとしたところで、すぐ前の家から一人の男性が出てきました。

「ちょっと。そこに置かないでくれ」

突然言われ、私は手を止めました。

「え?今日、回収日ですよね」

すると男性は、少しいら立った様子で言いました。

「この前の草刈り、来なかっただろ。手伝わない人が、こういうときだけ使うのはおかしいよ」

地域で行われた草刈りのことでした。私はその日は都合がつかず、参加できなかったのです。

「それとゴミを出すことは、別じゃないですか」

戸惑いながら返しましたが、男性は首を振ります。

「こっちは朝からやってるんだよ。参加しないなら、別のところに持っていってくれ」

言い合いを続けても仕方がありません。私はその朝、ゴミ袋を持ったまま家へ戻りました。

それからしばらくは、事情を話して別の集積所を使わせてもらいました。朝から重い袋を持って余分に歩くのは、思っていた以上にこたえます。

「うちも言われましたよ」

そんなある日、近所の人と立ち話をしていたときのことです。

何気なくゴミ出しの話をすると、その人が驚いた顔をしました。

「えっ、あなたもですか?」

「…ということは、そちらも?」

「うちは『掃除に出なかったから使うな』って言われました。仕方ないから別の場所まで持っていってます」

私だけではなかったのです。

その後、何人かに聞いてみると、理由は少しずつ違うものの、同じ男性から集積所を使わないよう言われた人がほかにもいることが分かりました。

「でも、一人ずつ言いに行ったら、また揉めそうですよね」

誰かがそう言うと、別の人も「まず、本当にそんな決まりがあるのか確認したほうがいいんじゃない?」とうなずきました。

そこで、集積所の管理について詳しい人に、数人で事情を尋ねることにしました。

確認したかったのは、誰かを責めることではなかった

事情を話すと、返ってきたのは意外にあっさりした答えでした。

「草刈りに出なかった人は使えない、なんて決まりはないですよ。ここを利用している家なら、いつもどおり出して大丈夫です」

思わず、隣にいた人と顔を見合わせました。

「じゃあ……今まで別の場所まで持っていってたのは?」

「そこまでしなくてよかったと思いますよ」

後日、集積所を利用する人たちの間でも、利用方法について改めて確認がされました。

それからです。男性からゴミ出しについて声をかけられることはなくなりました。

久しぶりにいつもの集積所へ袋を置いた朝、私は網をかけ直しながら、少しだけ肩の力が抜けるのを感じました。

大声で言い返したわけでも、誰かを言い負かしたわけでもありません。

ただ、「本当にそういう決まりなのか」と何人かで確かめただけです。それでも、一人で抱えていたときには動かなかった状況が、少しずつ変わりました。

あのとき「うちも言われました」と声をかけてもらえたことが、私には何より心強かったです。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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