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「お持ち帰りをご遠慮いただいております」朝食バイキングでパンを持ち帰ろうとする客。だが、スタッフの一言で状況が一変

楽しみにしていた朝食会場で
友人と出かけた一泊の旅行で、私がいちばん楽しみにしていたのが、翌朝の朝食バイキングでした。
焼きたてのパンや、地元の食材を使った彩りの良い料理が並ぶと聞いて、前の晩からずっと胸を躍らせていました。
朝、会場に入ると、湯気の立つ料理がずらりと並んでいました。
私はトレーを手に取り、好きなものを少しずつ選んで席へ戻ろうとしました。
ところが、すぐ近くのテーブルにいた家族連れの様子が、どうにも気になったのです。
続いていく持ち帰り
その家族は、取り皿ではなく、足元に置いた大きなバッグへ次々と料理を移していました。
パンを5個もつかみ、個包装のジャムやヨーグルトまで、まとめて詰め込んでいきます。
まるで、あとで食べる分をごっそり確保しているかのようでした。
目の前の光景に、私は思わず箸を止めてしまいました。楽しみにしていた朝食の空気が、少しずつ濁っていくようです。
そこへ、会場のスタッフが静かに歩み寄り、丁寧に声をかけました。
「朝食会場のお料理は、お持ち帰りをご遠慮いただいております」
ところが家族は手を止めず、悪びれもせずに言い返しました。
「あとで部屋で食べるだけだから、いいでしょう」
周りの客も気づき始め、会場には気まずい空気が漂いました。
せっかくの朝の時間なのに、誰もが落ち着かない様子で、そっと視線を泳がせています。
スタッフの毅然とした一言
それでもスタッフは引きませんでした。
一度下がると、今度は支配人らしき男性と一緒に戻ってきて、穏やかに、けれどはっきりと伝えたのです。
「恐れ入りますが、お持ち帰りはお断りしております。お食事はこの会場でお楽しみください」
落ち着いた物腰と、筋の通った言葉に、家族はばつが悪そうに顔を見合わせました。
しばらく黙り込んだあと、しぶしぶバッグから料理を取り出し、皿へ戻していきます。
詰め込まれていたパンやヨーグルトが、もとの場所へ返されていきました。
張りつめていた会場の空気が、そこでようやくゆるみました。
周りの客も、ほっとした表情で食事に戻っていきます。
私も冷めかけたスープを温め直し、あらためて朝食を味わいました。
毅然としながらも角を立てないスタッフの対応のおかげで、守られたのは料理だけではなく、みんなの気持ちの良い時間そのものだったのだと思います。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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