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「細かいのしかないから、5万は奢ってよ」立て替えた金額を突きつけられた彼。だが、反省しない姿に絶句

「細かいのしかないから、5万は奢ってよ」立て替えた金額を突きつけられた彼。だが、反省しない姿に絶句

財布は最後まで出なかった

付き合って一年が過ぎた頃、週末はたいてい二人で外食をしていました。会計の順番が近づくと、彼は決まって半歩うしろに下がります。

「今日も細かいのしかなくて」

そう言われれば、私がまとめて払うしかありません。月に4回はこの流れでした。

最初のうちは、そういうこともあると思っていました。千円や2000円の食事代です。次に会ったときに渡してくれるのだろうと、こちらから言い出すこともしませんでした。

店を出て車に乗り込むと、彼はもうスマホを見ています。

「さっきの2000円、あとでいい?」

「うん、財布を出したら渡すよ」

その財布が出てきたことは、一度もありませんでした。

手帳に並んだ数字

数え直したのは、外食費が前の年の倍になっていた月です。決済の履歴をさかのぼって、日付と金額を手帳に書き写していきました。

手帳は、仕事の予定を書くために持ち歩いていたものです。後ろの白いページに、日付と店の名前と金額を並べていきました。

1800円、2000円、2400円、3100円。半年ぶんを足すと、5万円に届く数字が縦に並びました。

金額そのものより、書き写す手が途中で止まったことのほうが応えました。

別々でお願いします

次の週末、いつもの店で食事を終えてから、手帳をテーブルに置きました。

「半年で5万円、立て替えたままなんだけど」

彼はページに目を落として、それから窓の外へ視線を移しました。

「細かいのしかないから、5万は奢ってよ」

笑って言いかけた口が、途中で止まりました。ポケットに入れた手は、そのまま出てきません。

「いや、そういう意味じゃなくてさ」

続きは出てきませんでした。そこへ店員さんが伝票を取りにきました。

「お会計はご一緒でよろしいですか」

「別々でお願いします」

彼が顔を上げたのが、視界の端に見えました。私は自分のぶんだけ払って、先に店を出ました。追いかけてきた彼は、駐車場でようやく財布を開いています。

「今日のぶんは払うから」

「今日のぶんじゃなくて、半年ぶんの話をしてたの」

言い返す声は、返ってきませんでした。

「もう、いいよ。ここまでにしよう」

彼は財布を握ったまま何か言いかけて、結局うつむきました。車を出すとき、バックミラーにその姿が小さく残っていました。手帳は今も、引き出しの奥にしまってあります。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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