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「へえ、普通の名前じゃん」我が子の名前を笑った従兄弟。だが、伯母が返した正論に絶句

「へえ、普通の名前じゃん」我が子の名前を笑った従兄弟。だが、伯母が返した正論に絶句
数年ぶりの座敷
子どもたちを連れて親戚の集まりに顔を出したのは、数年ぶりでした。
座敷には大皿が並んで、出前の焼き鳥が湯気を立てています。
「まあ、大きくなったねえ」
伯母が上の子の頭に手を置いて、下の子には座布団を足してくれました。
私は湯呑みを配りながら、輪の端に座ります。
二人の名前を聞かれて、上の子から順に答えました。
どちらも、初めての人でも一度で読んでもらえる字です。
役所でも病院でも、聞き返されたことはありません。
そのとき、久しぶりに会う従兄弟が大皿へ手を伸ばしました。
「へえ、普通の名前じゃん」
串を一本抜きながら、ついでのようにそう言って笑ったのです。
湯呑みを持ったまま
座敷の笑い声は、そこだけ半拍おくれて元に戻りました。
私は湯呑みを持ったまま、返す言葉を探します。
「そうなんです、普通で」
出てきたのは、それだけでした。
子どもたちは隣の部屋でおもちゃを広げていて、こちらの話は届いていません。それだけが救いでした。
名前を決めた夜のことは、よく覚えています。
夫と二人で紙に何度も書いて、声に出して呼んでみました。一生名乗るものだから、どこへ出しても困らない名前にしよう。
そう話して決めたのです。
従兄弟は焼き鳥をかじりながら、もう別の話を始めていました。
伯母が置いた箸
伯母が箸を置いたのは、その少しあとです。
「なに笑ってんだい」
さっきの従兄弟を、仕草ごとそのまま口に出したのです。
従兄弟の手が、串を持ったまま止まりました。
「町内会の名簿はね、毎年わたしが作るのよ」
「読み方の分からない名前は、その都度お宅まで確かめに行くのよ」
従兄弟が何か言いかけて、それを飲み込みます。
「何度でもちゃんと読んでもらえる名前をつけてもらった子は、それだけで一生ぶん得をしてるの。笑うところじゃないでしょう」
座卓のあちこちで、うなずく気配がしました。
「うちの子も、電話では毎回聞き返されるのよねえ」
叔母がそう言うと、隣の従姉も小さく笑って続きます。従兄弟は目を伏せて、皿の上に串を置きました。
「伯母さん、そう言ってもらえて、うれしいです」
下手に出るのはやめて、それだけを返しました。
帰り際、玄関で靴を履いていると、従兄弟が子どもたちのほうを見て名前を呼びました。ひとりずつ、きちんと。
「じゃあな、また」
その日いちばん、まっすぐな声でした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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