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「弁当が昨日より高い、店長を呼べよ」20分どなり続けた客。翌週、レジで漏らした思わぬ本音

レシートを見た瞬間
十年ほど前、住宅街のコンビニで夕方のシフトに入っていました。
学校帰りの子どもと仕事帰りの人が入れ替わる、レジがいちばん混む時間帯です。
並んでいたのは五人ほど。先頭の男性が、弁当をひとつレジ台に置きました。
「温めますか」
「いい、そのままで」
会計を済ませてレシートを渡すと、男性の手がぴたりと止まりました。
「弁当が昨日より高い、店長を呼べよ」
「申し訳ありません。お値段は本部で決まっておりまして、レジに出た金額でご案内しています」
「そんな言い訳は聞きたくない」
「棚の値札も、ご一緒にお確かめいただけます」
「昨日はもっと安かったって言ってんだよ」
棚の値札を確かめてもらおうにも、男性はレジ台の前から一歩も動きません。
その間もかごを提げた人が、次々と後ろに並んでいきます。
終わらない押し問答
同じやり取りが、少しずつ形を変えて何度も繰り返されます。
後ろの列はレジの前で折れ曲がり、私の声はどんどん小さくなっていきました。
途中で店長が出てきて、私と代わってくれました。
「価格の変更は、店では決められないんです」
「いいから昨日の値段で売れよ」
「それはできません。申し訳ありません」
壁の時計を見ると、最初の一言から20分が過ぎていました。
「もう来ないからな」
男性は袋を掴んで出ていきます。自動ドアが閉じたあと、列の最後尾にいた常連の女性が小さく息をつきました。
「大変だったね」
その日はしばらく、指先の震えが止まりませんでした。
翌週のレジで
翌週の同じ時間、自動ドアが開いて、あの男性が入ってきました。手には、先週とまったく同じ弁当が握られています。
レジに立った私を見て、視線がすっと下がりました。
「……温めますか」
「いい」
お釣りを渡そうとした男性の手が、途中で止まります。
何か言いかけて飲み込み、それから急に早口になりました。
「先週は、悪かった」
「はい」
「値段ばっかり見てて、余裕がなかった」
「そうでしたか」
それ以上は言わず、男性は袋を持って出ていきました。レジの奥から、店長がこちらを見ています。
「聞こえてたよ」
それから男性は、週に一度は顔を出します。弁当をレジ台に置くとき、必ず先にこう言うようになりました。
「これ、温めてもらえますか」
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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