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「お前、なんで座っとるんや。どけよ」体調の悪い男性を怒鳴った乗客。だが、車掌の一言で状況が一変

「お前、なんで座っとるんや。どけよ」体調の悪い男性を怒鳴った乗客。だが、車掌の一言で状況が一変

車掌に案内された優先席

平日の夕方、仕事帰りの電車に乗ったときのことです。

窓の外は暗くなり始め、車内には帰宅途中と思われる乗客が乗っていました。

満員というほどではありませんが、座席はすべて埋まっています。私はドアの近くに立っていました。

途中の駅で、一人の会社員らしき男性が乗ってきました。

四十代くらいでしょうか。スーツ姿でしたが、顔色が悪く、額には汗がにじんでいます。

男性は乗り込むとすぐ、ドアの横の壁に手をつきました。

それに気づいた乗客が、心配そうに声をかけます。

「大丈夫ですか」

「すみません。少し気分が悪くて……」

男性はそう答えましたが、立っているのもつらそうでした。

近くにいた乗客が車内の乗務員に知らせると、次の駅で車掌がやってきました。

「次の駅で降りますか」

車掌が尋ねましたが、男性は首を横に振ります。

「あと二駅なので、少し休めば大丈夫だと思います」

車掌は男性の様子を確認すると、優先席に座っていた乗客に事情を説明しました。

すぐに一人が席を譲り、男性は何度も頭を下げながら腰を下ろします。

「無理をなさらず、具合が悪くなったらすぐに知らせてください」

そう声をかけると、車掌は次の車両へ移っていきました。

車内に響いた突然の怒声

しばらくすると、隣の車両から一人の年配の男性が入ってきました。

男性は六十代後半くらいに見えました。

空いている席を探すように車内を見渡し、優先席の前で足を止めます。

そして、ぐったりとうつむいている会社員を見下ろしました。

「お前、なんで座っとるんや。どけよ」

突然の怒声に、周囲の乗客が一斉に振り返ります。

会社員が驚いて顔を上げました。

年配の男性は、優先席の表示を指さします。

「若いのに優先席へ座るな。年寄りが立っとるやろ」

「すみません……」

会社員は事情を説明する余裕もないのか、鞄を抱えて立ち上がりました。

顔は先ほどよりも青ざめています。

年配の男性は当然のように、空いたばかりの席へ腰を下ろしました。

会社員はつり革につかまりましたが、電車が揺れるたびに体が大きく傾きます。

見かねた女性が会社員の腕を支え、近くの乗客がもう一度、乗務員へ連絡しました。

車掌が伝えた事実

次の駅を出ると、車掌が急いで車内へ入ってきました。

「大丈夫ですか」

車掌は会社員のもとへ向かい、顔色を確認します。

そして、優先席に座っている年配の男性を見ました。

「こちらの方に、席を譲るよう求められたのですか」

会社員は困ったようにうつむきました。

代わりに、近くにいた乗客が答えます。

「この人が怒鳴って、無理に立たせたんです」

年配の男性は不満そうに口を開きました。

「優先席は年寄りのための席やろ。若い者が座っとるほうがおかしい」

すると車掌は、落ち着いた声で説明しました。

「こちらのお客様は、先ほど体調不良を訴えられました。そのため、私からこの席で休んでいただくようお願いしています」

年配の男性の表情が止まりました。

車掌はそのまま続けます。

「優先席は、ご高齢の方だけでなく、体調の悪い方や、外見からは分からない事情がある方も利用されます」

車内は静まり返っていました。

「お客様がお座りになる席でしたら、次の車両に空席がございます。私がご案内します」

年配の男性は何か言い返そうとしましたが、周囲の視線に気づいたのでしょう。

開きかけた口を閉じ、黙って立ち上がりました。

車掌の後ろを歩きながら、隣の車両へ移っていきます。

元の席へ戻った男性

車掌は戻ってくると、会社員をもう一度優先席へ案内しました。

「こちらで休んでいてください」

「ご迷惑をかけて、すみません」

会社員が小さく頭を下げます。

「謝る必要はありません。具合が悪いときは、遠慮せず座ってください」

男性は席に腰を下ろすと、目を閉じてゆっくり息を吐きました。

降りる駅に着くころには、顔色も少し戻っていました。

優先席に座っているからといって、元気だとは限りません。

車掌の言葉を聞きながら、見た目だけで相手の事情を決めつけてはいけないと、改めて感じた出来事でした。

 

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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