Share
「行き先は決めといたよ!」友人との旅行。だが、友人が告げた行先に驚いたワケ
INDEX

「行き先は3か所、うちの子が好きな所」大人だけの旅行を塗り替えたママ友に、友人が静かに告げた本音
大人だけ、のはずだった
中学からの付き合いが続いている4人がいます。今はそれぞれ別の街で、年に一度会えればいいほうです。
内訳は、独身がひとりと、子どものいる3人。私もそのうちの1人でした。
春先に、旅行の話が持ち上がったのです。
「子ども連れてきていいよ、私は全然平気」
そう言ってくれたのは独身の友人でした。ただ、3人の子どもはどれも1歳から2歳。連れて行けば、行き先も食事の場所も限られます。
私ともうひとりは、夫と実家に頼んで預けることにしました。久しぶりに、大人だけで話したかったのです。
ところが、ひとりだけ返事が違いました。
「うちは連れて行くよ。離れたくないし」
それは分かります。彼女が子どもをかわいがっているのは、みんな知っていました。
気になったのは、そのあとです。やりとりに、次々と候補地が並び始めました。
「行き先は決めといたよ!」
動物のいる牧場、屋内の遊び場、大きな公園。
どれも子どもが喜ぶ場所です。
誰も「預けられないの」とは言えませんでした。子どものことを持ち出されると、言葉が止まります。
独身の友人が、先に折れてくれました。
「その子が来るなら、みんなで楽しめるところにしようか」
そうして4人の旅行は、5人の旅行になったのです。
帰りの車内で
当日は、朝から慌ただしくなりました。
牧場でも遊び場でも、彼女は子どもを追いかけていて、私たちと一緒に歩く時間はほとんどありません。
「先行ってて、あとで追いつく」
その「あとで」は、結局来ませんでした。
移動の車内では、子どもがぐずります。
誰かが話し始めても、途中で止まる。窓の外を見て黙る時間だけが長くなりました。
もちろん、2歳の子に責任はありません。
眠くて泣くのは当たり前です。
帰り道、その子がようやく眠りました。静かになったところで、独身の友人が口を開いたのです。
「今回は全部あの子に合わせたよね。次は大人だけで行きたい」
責める調子ではありませんでした。前を向いたまま、静かにそう言ったのです。
助手席で、彼女が振り返りました。
「…え」
言いかけて、言葉が続きません。目を伏せて、膝の上の手を組み直しました。
もうひとりが、小さくうなずきます。
「私も、そう思ってた」
車内が、しばらく静かになりました。それから、彼女が言ったのです。
「…そっか。私、みんなの分まで決めてたね」
それきり、その話は出ませんでした。
次に旅行の話が出たのは、秋です。今度は、彼女から先に連絡が来ました。
「今回は預けて行けるようにする。日程だけ、先に決めていい?」
行き先の相談は、そのあとでした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


