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「節約が大事でしょ」と月5千円しか小遣いをくれない妻。だが、夫が妻の隠し口座を暴いた結果

月3千円の小遣い
結婚してから七年、我が家の財布はずっと妻が握っていた。
「節約が大事でしょ」
それが妻の口ぐせで、私の小遣いは月5千円まで削られていた。昼食は毎日、自分で握った握り飯を職場に持参する。同僚に飲みに誘われても、年に数えるほどしか顔を出せなかった。
散髪はいつも千円カット、靴の底がすり減っても、新しいものはなかなか言い出せない。
「今は我慢よ。子どもの学費と、老後のためなんだから」
そう言われれば、返す言葉もなかった。
家族の将来のために、二人で歯を食いしばっている。妻の通帳に貯金が積み上がっているなら、それでいい。私は本気でそう信じていたのだ。
クローゼットの奥の紙袋
異変に気づいたのは、ある休日の昼下がりだった。
衣替えのために寝室のクローゼットを整理していると、奥のほうに見慣れない紙袋が押し込まれていた。
取り出して中を開けると、光沢のある革のバッグが出てきた。ひと目で、量販店では売っていない品だと分かる。値札がまだ下がったままで、そこには二十万円を超える数字が並んでいた。
心臓が嫌な音を立てた。台所に立っていた妻を、静かに呼んだ。
「何この20万のバッグ?」
妻の顔から、さっと血の気が引いていく。
「……それは、たまたま安くなってたから」
声が小さくなり、目が泳いでいた。安くなっていても、私の小遣いの何十ヶ月分だ。
「安くって、いくら?このタグ、まだ付いてるけど」
妻は答えられず、唇を噛んだ。
通帳が語ったこと
問い詰めると、妻はうなだれて、もう一つの通帳を差し出した。
パート代を、私に一言も告げず、別の口座へすべて移していたのだ。そこから、自分のほしい物を少しずつ買い続けていたらしい。
ページをめくると、私の知らない入金と、ブランド店での引き落としが、几帳面に並んでいた。
「節約が大事、って俺に言ってたよね。俺の小遣いは5千円なのに」
妻は言い返そうと口を開きかけて、そのまま黙り込んだ。しばらく、うつむいて動かなかった。
「……ずるいこと、してた。ごめんなさい」
やがて、絞り出すようにそう言った。
私は怒鳴らなかった。ただ、二冊の通帳を並べて、食卓の上にそっと置いた。
「これからは、二人で一緒に管理しよう。隠し事は、もうなしで」
妻は小さくうなずいた。その日から、収入も貯金も、毎月二人で確認するようになった。私の小遣いも、人並みの額に戻ってきた。
クローゼットの紙袋が消えた朝、食卓に流れる空気は、驚くほど軽くなっていた。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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