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「一言あってもいいじゃない」20cmの雪道を一人で綺麗にした私→お礼ゼロで通った足跡の列に絶句

「一言あってもいいじゃない」20cmの雪道を一人で綺麗にした私→お礼ゼロで通った足跡の列に絶句
20センチ積もった燃えるゴミの朝
暮らしていたのは6世帯ほどの古い木造アパートで、ゴミ捨てボックスは隣の駐車場の端にあった。
前日からの大雪で、朝カーテンを開けたら一面が真っ白に染まっている。
積もり方は20センチほどあって、駐車場の白線がほとんど見えない状態だった。
その日は燃えるゴミの回収日で、無職だった私はちょうど家にいるタイミングだった。
コートを羽織って玄関を開けたとき、ボックス前の山を見てため息が出た。
これでは袋を持ったまま近づくこともできない。
スコップを物置から取り出し、自分が出しやすい一直線だけでもと割り切って雪をどかし始めた。
ボックス前の導線を確保したあと、駐車場からアパートへ戻る3段の階段にも目が止まった。
袋を運んだら帰りも同じ場所を通る。結局そこも一段ずつ削ることになり、1時間近く作業を続けて、ゴミを出し終えたときには手袋の中まで湿っていた。
誰一人雪かきしていない通路
部屋に戻って窓から駐車場側を見下ろすと、私が掻いた一本の通路と3段の階段だけが妙にきれいに浮き上がっている。
ほかの場所はどこを見ても、雪かきの形跡がまったく見当たらない。
アパートの前の私道も、住人の自転車置き場の周りも、20センチの雪に覆われたままだった。
「あら雪かきしてある」
30分ほど経った頃、車を出すために駐車場へ向かった隣の部屋の女性が、私の掻いた階段を当然のように下りていった。
前を通り過ぎる際にちらりと窓側を見て、それきり目線を戻して車のドアを開けた。
声をかけるでもなく、振り向くでもない。雪のない通路だけがそのまま吸い込まれていった感じだった。
そのあと外出で出てきた住人も、誰一人として周りの雪に手を付ける気配はない。
みんなが私の掻いた一本道を通り、3段の階段を当然の顔で踏みしめて駐車場へ出ていく。窓から見ているうちに、雪の上に足跡だけが整列していく光景ができあがっていった。
足跡だけが残った夕方
夕方にもう一度ゴミを出しに行くと、雪かきした通路は踏み固められて凍り始めていた。
階段の縁にはブーツの跡が幾重にも重なり、私が確保した1本道だけが住人共通の動線になっていた。
気づいてほしくて雪かきをしたわけではなかった。ただ、すれ違ったときに一言あってもよかったのではないか、と窓辺で考え込んだ。
時間があるだけで、好きでスコップを握ったわけではない。暮らしの感覚として残るものがあるはずだった。
翌朝も気温は氷点下のまま、踏み固められた雪は塊になって階段に残っていた。誰かが新たに雪かきする気配はなく、私が砕いた40代の朝が静かに更新されていった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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