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「触らないで!」公園で転びかけた子供に手を差し伸べた私→まるで不審者を見るような目で射抜かれた瞬間

ベンチで休んでいた
穏やかな昼過ぎ、近所の小さな公園のベンチに腰かけていた。
買い物帰りに少し足を休めようと思っただけだった。
平日の公園には親子連れが数組いた。
砂場で遊ぶ子供たち、おしゃべりするお母さんたち。特に変わったことのない、のどかな光景だった。
そのとき、小さな女の子がこちらに向かって走ってきた。
2、3歳くらいだろうか。ふらふらとした足取りで、ベンチの脇を通り過ぎようとした瞬間、石につまずいてぐらりと体が傾いた。
反射的に手を伸ばした。ただ、そういう行動だった。考える間もなかった。
次の瞬間だった。
「触らないで!」
鋭い声が飛んできた。振り向くと、若い母親が小走りで近づいてきた。
子供を素早く抱き上げ、私を見る目が固まった。警戒というより、明らかな拒絶だった。
(助けようとしただけなのに)
言葉が出なかった。謝るべきかどうかも分からず、ただそこに立ち尽くすしかなかった。
母親は子供を抱えたまま、そそくさとその場を離れていった。一言も交わさないまま、距離が開いた。
善意の行き場がなかった日
周りにいた親子は、やりとりを見ていたのか見ていなかったのか分からなかった。
その後も公園は静かで、何事もなかったように砂場の笑い声が聞こえていた。
私はそのまま少しの間ベンチに座っていたが、落ち着かなかった。何かを間違えたのかと考えた。
手の伸ばし方が怪しく見えたのか。立ち位置が悪かったのか。それとも、見知らぬ人間が近くにいたこと自体が問題だったのか。
子供を守りたいという気持ちは理解できる。
知らない人に触れてほしくない親心も、頭では分かる。でも、あの目の鋭さは胸に残った。
もし自分が母親の立場だったらどうしただろうと考えた。我が子に知らない人が手を伸ばしてきたら、やはり同じように反応するかもしれない。それでも、あの瞬間の言葉の鋭さは、何かを踏みにじるようだった。
助けようとした手が、そのまま宙に浮いたままになった感覚。何かが揺れた午後だった。
善意がすれ違った、それだけのことかもしれない。でも答えのないモヤモヤが、しばらく消えなかった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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