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「子どもがかわいそうだよね、あんなに怒られて」と育て方に口を出す義兄弟。だが、夫の反論で義兄弟が黙り込んだ

義実家に集まるたびに繰り返される言葉
結婚して数年が経つ。
義実家での集まりが憂鬱な理由は、料理の品数でも移動の疲れでもなかった。
夫の兄弟たちの口から、決まって飛んでくる言葉があったからだ。
「子どもがかわいそうだよね、あんなに怒られて」
「育て方が厳しいんだよね」
最初に言われたとき、私はうまく反論できなかった。
確かに私はルールに厳しい。食事中のスマホは禁止だし、約束は守るよう何度でも伝える。
子どもが嫌がるときでも根気よく繰り返す。でも、それは子どもへの愛情から来ていることで、可哀想などとは思っていない。むしろ、今のうちに一緒に考えておきたいことがあるから向き合っている。
それでも口にするのをためらったのは、義実家という空間のせいだった。
波風を立てたくない。角を立てたくない。そういう空気の中で、私はいつも曖昧に笑って席を立った。
そのたびに、少しずつ何かが積もっていった。
夫に話したこともあった。「気にしなくていいよ」と言われるだけで、その場で何かが変わることはなかった。
私は結局、一人で飲み込み続けた。
集まりが近づくたびに、子育てのことを話題にしないようにと、自分を言い聞かせるようになっていた。
夫が静かに割り込んだ瞬間
それが変わったのは、春先の集まりだった。いつものように義兄が「もうちょっと緩くしてあげたら? 子どもも伸び伸びできると思うけど」と言いだした。義弟も続いた。
「厳しすぎるんじゃないかなあ」
私は例のごとく苦笑いしながら頷こうとした。その瞬間、夫が口を開いた。
「それは俺たちが決めることだから」
短い言葉だった。声を荒げたわけでも、長々と論じたわけでもない。ただ、静かに、はっきりと言った。
食卓の空気が変わるのが分かった。義兄も義弟も、返す言葉を失って少し目を伏せた。義母も何も言わなかった。
私は下を向いていたが、それでも目の端が熱くなった。ずっと一人で背負っていたものが、あの一言でふっと半分になった気がした。胸の中に詰まっていた何かが、少しずつほどけていく感覚があった。
帰りの車の中で夫は「遅くなってごめん」とぽつりと言った。
私は「ありがとう」しか返せなかった。でも、それで十分だった。久しぶりに心の底からスカッとして、その夜は深く眠れた。翌朝、子どもの顔を見たとき、なんだかこれまでより柔らかい気持ちで向き合えた気がした。あの一言が、私たちの家族のルールを守ってくれた。そういう確かさが、今も胸の中にある。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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