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「娘の着物はうちで作る」出産前の帰省で義父が突然切り出した主張→理由も告げずに一点張りだった本音

「娘の着物はうちで作る」出産前の帰省で義父が突然切り出した主張→理由も告げずに一点張りだった本音
帰省の席で義父が切り出した、想定外の一言
娘を出産する少し前のことだ。
長男はもうすぐ3歳で、私のお腹の子が女の子だとわかっていた。
夫の実家に帰省した日の夕食の場で、義父がふいに口を開いた。
「娘の着物はうちで作る」
意味が飲み込めなかった。
私の祖母は長年、茶道を続けており、着物に触れることが日常の中にある人だ。ひ孫に着物を仕立てることを、本当に楽しみにしていた。長男のときも作ってもらい、仕立ての丁寧さに家族全員が喜んでいた。娘の場合も当然、そうなるだろうと思っていた。夫もそう思っていた。
夫は穏やかに伝えた。
「妻の祖母が楽しみにしているんですが」
義父は動じなかった。
「娘の着物はうちで作る」
同じ言葉を、静かに繰り返した。
理由は一切言わなかった。「デザインは自由に決めていい、お金はうちが出す」とだけ続けた。その夜は結論が出ないまま、食事が終わった。
勝手に動いた義母と、残ったモヤモヤの正体
その場では話がまとまらず、帰省から戻った後日、母からある話を聞いた。
義母が母に直接連絡し、同じことを伝えていたのだという。
「娘の着物はこちらで用意するつもりです」と。
私たち夫婦に何の相談もなく、両家の親同士で話が動いていた。じわりとした腹立たしさが込み上げてきた。
不思議だったのは、長男のときに義父はそういうことを言わなかったことだ。家の姓を継ぐ男の子のほうが、着物を誰が用意するかにこだわりがあっても自然なのに、なぜ娘の着物だけなのか。
夫に聞いてもわからないと言い、義父に再度尋ねても理由は教えてもらえなかった。理由を言わないまま、ただ「うちが作る」という言葉だけが繰り返された。
私の中で、祖母への申し訳なさが積み上がっていった。楽しみにしていた祖母に、どう説明すればいいのか。それを考えるだけで気が重かった。
考えた末に、ひとつの提案を持ち出した。
「私が持っている着物を、娘に引き継ぐのはどうでしょうか」
義父はすんなり受け入れた。
その一言で片付いたことで、余計に混乱した。最初から私の着物でよかったなら、祖母が仕立てることを嫌がっていたのか。それとも別の何かがあったのか。問いを立てても、答えは返ってこない。
理由を教えてもらえないまま、着物の問題だけが静かに落着した。
祖母はまだ健在で、今も茶道と着物への情熱を持ち続けている。娘が大きくなったとき、祖母の手仕事を渡してあげられなかったことへの残念さも、どこかに残っている。
娘の着物を見るたびに、あのときの義父の顔と、理由のない一点張りだけが、小さなモヤモヤとして胸に積もっている。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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