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「客が安くしろって言ってるんだぞ」酔って無茶な要求をする客。だが、客が周りの視線に気づいた結果

会計に来た客から、突然「まけろ」と言われた
カラオケ店で店長代行をしていた頃の話です。
夜の時間帯は受付や会計をほとんど私ひとりで担当していて、その日もカウンターで伝票を確認しながら、帰る客の対応をしていました。
そこへ、顔を赤くした男性客が会計にやってきました。
私が伝票を確認して金額を伝えると、男性はカウンターに肘をつき、短く言いました。
「まけろ」
一瞬、聞き間違えたのかと思いました。
念のため伝票を見直しましたが、利用時間にも注文内容にも間違いはありません。
「申し訳ございません。お値引きはいたしかねます」
そう伝えると、男性の表情が変わりました。断られるとは思っていなかったのか、先ほどより大きな声で値引きを求めてきます。
「もっと安くしろ、聞こえないのか」
私は声を荒らげず、もう一度同じ説明をしました。
こちらの判断で会計金額を変えることはできません。どれだけ強く言われても、その点だけは変えられませんでした。
怒鳴り声が響くほど、周囲から声が消えていった
男性はさらに身を乗り出し、指をこちらへ向けながら言いました。
「客が安くしろって言ってるんだぞ」
その声がロビーに響いた頃、私は周囲が急に静かになっていることに気づきました。
ソファで待っていた客たちは話すのをやめ、通路を歩いていた人もこちらを見ています。誰かが口を挟んだわけではありません。ただ、男性の怒鳴り声だけが店内で目立つようになっていました。
やがて男性も、その視線に気づいたようでした。
周囲を見回したあと、先ほどまでの勢いが少しずつなくなっていきます。
「……もういい」
それだけ言うと、男性は私と目を合わせないまま財布を開き、カウンターに現金を置きました。
受け取った金額を確認すると、伝票どおりの額でした。
私はそのまま会計を済ませ、男性は何も言わず店を出ていきました。
扉が閉まると、静かになっていたロビーにも少しずつ話し声が戻ってきました。
長く接客をしていると、さまざまな客に出会います。それでも、怒鳴り声が大きくなるほど周囲が静かになっていった、あの夜の光景は今でもよく覚えています。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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