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「奢らんぞ、その調子じゃ結婚できん」酒が入った叔父の決めつけを、別の親戚が短い言葉で止めた正論

「奢らんぞ、その調子じゃ結婚できん」酒が入った叔父の決めつけを、別の親戚が短い言葉で止めた正論
呼ばれるのはいつも端の席
親戚が集まるのは、盆と正月の年に二回です。
座敷に長机を並べて、上座から伯父や叔父が座り、僕ら三十代は台所寄りの端に固まります。
叔父はその席で、決まって僕を手招きします。
「こっち来い、注げ」
悪い人ではありません。
就職のときは知り合いを紹介してくれました。ただ、ビール瓶が三本目に入るころから、話の中身が少しずつ変わっていきます。
三本目からの決めつけ
その日も、大皿の刺身が半分ほど減ったあたりでした。
「お前、今いくつだ」
「三十四です」
叔父はコップを持ったまま、僕の顔をしばらく見ています。それから座敷の端まで届く声で言いました。
「その調子じゃ結婚できん」
本人は笑い話のつもりだったのだと思います。
実際、叔父は自分で笑っていました。
笑ったのは、叔父だけでした。
向かいの叔母が箸を置きます。いとこの子どもが顔を上げて、母親のほうをちらりと見ました。台所にいた伯母が、用もないのに冷蔵庫を開けています。
「昔はな、その歳ならもう子どもが二人いた」
「そうなんですね」
それだけ返して、空になった瓶を下げました。言い返したところで、この人の物差しは動きません。座敷の話し声は目に見えて減っていきました。誰かが天気の話を振ろうとして、途中で立ち消えになります。
従兄が置いた短い言葉
隣に座っていた従兄が、コップを机に置きました。
「叔父さん、それ決めつけですよ」
声を荒げてはいません。座敷が静かだったぶん、よく通りました。
叔父の口が止まります。「いや、俺は」と言いかけて、その先を飲み込みました。持ち上げかけたコップを、そっと机に戻します。
「……そうか」
「そうですよ。心配なら、心配だって言えばいいじゃないですか」
従兄は急須を取って、叔父の湯呑みにお茶を注ぎました。伯母が「そうよね」と小さくうなずいて、向かいの叔母も続きます。
叔父はしばらく黙っていました。それから、僕のほうを見ずに言います。
「……まあ、元気にやってるならいい」
そこから先、叔父はビールを頼みませんでした。座敷の話題は仕事や旅行に戻り、いとこの子どもが立ち上がって走り回りはじめます。
帰り際、玄関で靴を履いていると、従兄が横に並びました。
「あれ、毎年だっただろ」
「気づいてたんですか」
「全員気づいてたよ。言うのが面倒だっただけ」
従兄は笑って、先に外へ出ていきました。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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