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「スペース余ってるからいいでしょ」共用廊下に私物を並べる住人。消防設備点検の日、担当者の一言で態度が一変
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共用廊下を占領する住人
引っ越して間もない分譲マンションで、住人が共用廊下に私物を並べ始めた。
子どものベビーカーや三輪車、粗大ゴミに出すような古い家具まで、我が家との境界近くにずらりと置かれていた。
通行の邪魔なだけでなく、火事のときの避難経路をふさぐ危険な状態だった。
見かねた妻が、ある夕方に声をかけた。
「危ないので、片付けてもらえませんか」
やんわりとした頼み方だったと思う。ところが返ってきたのは、悪びれのない一言だった。
「スペース余ってるからいいでしょ」
妻は言葉を失って帰ってきた。管理会社に相談しても、すぐには動いてくれない。私たちは半ば諦めかけていた。
消防点検の日の一喝
転機は、マンション全体の消防設備点検の日だった。点検業者と管理会社の担当者が、廊下を一つずつ見て回っていた。
そして私物で通路がふさがれた一角にさしかかった。
担当者の顔つきが変わった。
「これ消防法違反です」
廊下じゅうに響き渡る、はっきりとした声だった。避難経路をふさいでいる、すぐに撤去してほしい、いざというとき住民全員の命に関わる。担当者はきっぱりと言い切った。
ちょうど居合わせた奥さんは、さっきまでの強気がどこかへ消えていた。
「あ、いえ、これは……」
言いかけて、口ごもる。周りの部屋から顔を出した住人たちの視線が、いっせいに彼女へ集まっていた。
その冷ややかな空気に、奥さんの顔がみるみる真っ赤になっていく。
「す、すぐ片付けます」
声は、さっきの半分もなかった。その日のうちに、廊下の私物はすべて室内へ運び込まれた。あれだけ「いいでしょ」と胸を張っていた人が、誰よりも慌てて荷物を抱えていた。
それ以来、廊下には物ひとつ置かれていない。奥さんは私たちと廊下ですれ違うと、気まずそうに目を伏せて足早に通り過ぎる。
「はっきり言ってもらえて、よかったな」
妻とそう話した。正論がまっすぐ通った瞬間の、あの静かな爽快感は、今も忘れられない。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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