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「専業主婦で時間あるんだから、ちょうどいいでしょ」と学校の雑務を押し付けるボスママ。だが、私の一言で状況が一変
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授業参観後の校庭で
孫ではなく、遅くにできた末の子の話だ。
小学校低学年の親としては、私はずいぶん年上の部類だった。
授業参観が終わり、保護者たちが校庭にぱらぱらと散っていた頃だった。
低学年のママ友グループを仕切る、いわゆるボスママが、まっすぐ私のほうへ歩いてきた。
「ねえ、来週のプリント配り、まとめてやってくれるよね」
挨拶も前置きもなかった。決定事項を伝えるような口ぶりだった。
「専業主婦で時間あるんだから、ちょうどいいでしょ」
周りにいた数人の母親が、ちらりとこちらを見た。誰も口は開かない。
私は静かに息を吸って、ゆっくり返した。
「私がやると決まってるんですか」
ボスママの眉が、わずかに上がった。
「時間あるなら普通やるでしょ」
彼女はそう言って、ぐるりと周囲を見回した。同意を求める仕草だった。
頷かなかった母親たち
けれど、賛同の声は上がらなかった。
困ったように目を伏せる人、視線を逸らす人。空気が、明らかに揺れていた。
私は年の功で、こういう場面を何度も見てきた。慌てず、丁寧に言葉を置いた。
「時間があるかどうかと、誰の役目かは別の話だと思いますよ。配り物は当番制ですよね。決めるなら、皆さんで順番にしませんか」
少しの沈黙のあと、輪の端にいた若いお母さんが、おずおずと口を開いた。
「……私も、そう思います。誰か一人に押しつけるのは、やっぱり違いますよね」
その一言が、堰を切ったようだった。
「うちも、できる範囲で分担したいです」
「順番にしましょうよ。そのほうが気持ちいいし」
続けて二人、三人と頷いていく。さっきまで黙っていた母親たちが、次々に声を重ねた。
ボスママの顔から、当然という余裕が消えていった。見回した先に味方がいないと気づいたのだ。彼女は何か言いかけて、口をつぐんだ。頬がこわばり、視線が地面に落ちる。
「……まあ、それなら、役員のほうで決めればいいじゃない」
そう言い捨てると、彼女は背を向けて足早に去っていった。
結局その配り物は、別の役員が分担して受け持つことになった。私に正式な依頼が来ることは、ついぞなかった。
「さっきは、はっきり言ってくれてありがとうございました」
帰り際、あの若いお母さんが小さく頭を下げた。私は笑って首を振った。年長者として、言うべきことを言っただけだ。
あの日以来、彼女が私に何かを押しつけてくることはなくなった。すれ違えば挨拶はするが、それ以上は近づいてこない。必要最低限の距離が、かえって心地よかった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、60代以上・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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