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「夜中12時に男の車で帰ってきたって」母との電話での世間話。だが、電話で聞いた叔母の行動に凍りついた

母からの電話で知った叔母の行動
母から急ぎの電話が入ったのは、平日の昼下がりだった。
声色が妙にひそやかで、深刻な事件でも起きたのかと身構えた。
「叔母さんから聞いたんだけどね」
用件は、向かいの家に住んでる女性の帰宅時間だった。
叔母はマンションの自室から、道を挟んだ一軒家を毎日眺めているらしい。
私は耳を疑った。叔母の自宅は8階で、目の前の道路と一軒家の駐車場まで真正面に見下ろせる立地だった。
「夜中12時に男の車で帰ってきたって」
叔母が母にそう告げ、母が律儀に私まで伝達してきたのだ。
何の話をされているのか理解するのに、数秒かかった。向かいの家とは挨拶を交わしたこともない、まったくの他人である。
叔母の口ぶりはまるで親戚の不祥事でも報告するような熱量だった。
母も最初は笑い話のつもりで電話を取り次いだのかもしれないが、私の耳には変な行動にしか聞こえなかった。
365日続く監視メモの中身
母によると、叔母は数年前からその家を観察し続けているという。
誰が何時に出かけ、何時に帰り、玄関先で何分話したか。配達員の訪問頻度、洗濯物の干し方、夫婦の帰宅時間のズレまで把握していた。
「電気が朝までついてた日があるのよ」
叔母の電話は週に何度もかかってくると母はぼやいた。
最初は世間話の延長だったが、途中から日記のように記録までしていると聞いて、背筋が凍った。
当人たちは赤の他人に365日も観察されている自覚がない。叔母の手元には、365日分の他人の生活記録が積み上がっている計算になる。
叔母の部屋を訪ねた従姉妹の話では、リビングの窓辺に双眼鏡まで置かれていたという。
私が「それ、ちょっとおかしいから止めて」と言っても、母は「叔母さん寂しいんだから」とかばう。
叔母から母、母から私。監視メモは家族の中で勝手に流通する情報になっていた。母は記録の内容を否定する素振りすら見せなかった。むしろ続きを聞きたがる節すらあり、私はその瞬間に背筋が冷たくなった。
親戚の異常を笑えなくなった夜
その夜、母から再びメッセージが届いた。向かいの娘が深夜に泣きながら帰宅した、男ともめているらしい、という内容だった。
私は返信せず、画面を閉じた。報告の細部まで叔母の妄想が混ざっている気がして、文字を追うのも苦痛だった。
第三者の人生が、叔母の脚色を経て家族の話題として消費されていた。
叔母を止められない母、止めようとしない一族、そして本人。我が家の血筋が静かに踏み越えている一線に、初めて気づいてしまった夜だった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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