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開発部長「危機感が足りない。結果を出せ」抽象指示しか出さない男に問い返した瞬間→絶句して資料に目を落とした

開発部長「危機感が足りない。結果を出せ」抽象指示しか出さない男に問い返した瞬間→絶句して資料に目を落とした
抽象論だけで詰めてくる上司
「なんでこの人が部長なんだろう」と、思わずにはいられない瞬間があった。
入社から十数年、IT系のシステム開発会社でエンジニアとして働いてきた。異動で新しい部長のもとにつくことになったのは、数年前の春のことだ。着任直後から、その上司の物言いが引っかかりはじめた。
会議のたびに飛び出す言葉は、「もっと主体的に動いてくれ」「このチームは危機感が足りない」「結果を出さないと話にならない」。どれも耳触りは悪くない。ただ、チームが具体的に何をどう変えればいいのかは、一度も語られなかった。
口が達者な割に、技術的な話になると急に歯切れが悪くなる。仕様の確認を求めると「それを考えるのが君たちの仕事だろ」と返される。現場で実際に手を動かしているのは、いつもメンバー側だった。
そのうちチーム全体に、じわじわと疲弊感が広がっていった。ミーティングが終わるたびに誰かが小声でため息をつく。そんな空気が、着任から半年ほどで当たり前になっていた。
問い返した、あの一瞬
転機は、ある週次ミーティングの終盤だった。
部長が資料を指でたたきながら言った。
「危機感が足りない。結果を出せ」
その言葉が、何かのスイッチを押した。
「すみません、確認させてください」と口を開いた。
「具体的には何をどうすればいいんですか?」
続けてこう伝えた。「優先すべきタスクと、やめていいタスクを教えていただけると動きやすいんですが」
静かな、でも迷いのない声で。
部長の眉がわずかに動いた。「それは……状況を見ながら判断してくれ」
「状況の判断基準を教えていただけますか。チームとして動くには、軸が必要なので」
返答が来なかった。部長は手元の資料に目を落としたまま、しばらく黙っていた。会議室がしんと静まり返った。
隣に座っていた同僚がこっそり目配せをしてきた。言葉はなかったが、その表情に「よく言ってくれた」と書いてあった。
抱えていたものが、少し軽くなった
あの質問が正解だったかどうかは、今も分からない。場の空気が変わったのは確かだったが、その後も状況がすぐに改善されたわけではなかった。
それでも、ずっと飲み込んでいた疑問を声に出せたことで、胸の奥につかえていたものが取れた。「おかしいと思っているのは自分だけじゃない」と、チーム内で改めて確認できた気がした。
働く現場には、こういう「問い返すべき瞬間」がある。丁寧に、でも明確に、そう伝えられたことが、小さくても確かなスッキリだった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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