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「忙しすぎて手が回らないんで手伝ってください」と頼んでくるも、自身はスマホをいじっている同僚。だが、上司にミスを追及された結果

毎日のように回ってくる「お願い」
私が席を構えていたフロアには、とにかく仕事を人に押し付けてくる同僚がいました。
年齢もキャリアも私と近い、同期入社の女性です。
朝、自分のメールを開く前から、彼女は決まってこう言いに来るんです。
「忙しすぎて手が回らないんで手伝ってください」
そう前置きしながら、自分の担当だったはずの書類を私のデスクにそっと置いていく。
「ごめん、これだけお願い」が口癖でした。その流れが、もう何ヶ月も続いていたんです。
受け取ったあと、用事のついでに彼女のデスクの後ろを通ると、スマートフォンを触っていることが何度もありました。
給湯室では片手にスマホ、片手にカップ。
ランチが妙に長い日も少なくありません。本当に手が回っていないのか、誰も口には出さないけれど、フロアの全員が薄々気づいていました。
(この人、押し付けてるだけだ)
毎日のように積もるモヤモヤを抱えながら、それでも仕事は止められない。黙って引き取って、自分の手で片づける日々が続いていたんです。
上司の前で何も説明できなかった日
転機は、ある月曜の午後でした。
彼女がそのまま抱えていた案件で、取引先からのクレームが入ったんです。
直属の課長が彼女のデスクに歩み寄り、フロア全体に聞こえる声で状況説明を求めました。
普段なら、ここで「忙しくて」が出てくるはずでした。けれど、その日は違ったんです。経緯を聞かれた彼女は、自分が何を進めて何が止まっているのか、ほとんど答えられませんでした。
「で、結局どこまで動いてるの」
課長の問いに対して、彼女の声は途切れ途切れになり、最後はほとんど黙り込んでしまった。
フロアの空気が、しんと固まったのを覚えています。
結局、その案件は周りのフォローで何とか着地しました。私も、別の同僚も、自分の作業を一旦止めて駆けつけた一人です。
その一件のあと、課長は業務の振り分けを見直しました。
誰がどの案件を本当に動かしているのか、リストにして可視化したんです。彼女が誰かに「お願い」する前に、課長が一本入る運用になりました。
あれ以降、彼女が私のデスクへ書類を置きに来ることはなくなりました。
「ごめん、これだけ」と言いに来ても、私が答える前に課長の方を一瞬見るようになったんです。それだけで、職場の空気はずいぶん軽くなりました。
本来、誰かを裁けるような立場ではありません。それでも、長く積もったモヤモヤが、誰かの号令ではなく自業自得のかたちで片づいた一日。
密かに胸のつかえが取れる瞬間ではあったんです。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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