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「家で数えてきたんです」大量の1円玉と5円玉を持ってきた女性。だが、十代の私があとで感じた本音

カウンターに置かれた、重そうな布の袋
私が十代のころ、ハンバーガー店でアルバイトをしていたときのことです。
夕方の混雑が少し落ち着いたころ、年配の女性がカウンターへ来ました。注文を終えると、バッグから小さな布の袋を取り出します。
カウンターに置かれた瞬間、ジャラッと重たい音がしました。
「すみません。1円玉と5円玉ばかりなんですけど、全部使えますか」
袋の口から見えたのは、たくさんの細かい硬貨でした。
私は一瞬、どうすればいいのか分かりませんでした。当時はまだアルバイトを始めてそれほど長くなく、これほど大量の小銭を出されたことがなかったからです。
「少々お待ちください。確認してきますね」
近くにいた先輩に相談すると、後ろにお客さまも並んでいなかったため、今回は数えて受け取ろうということになりました。
私はトレーの上に硬貨を少しずつ出し、1円玉と5円玉に分けて数え始めました。
十枚ずつまとめて並べても、なかなか終わりません。
正直なところ、「どうしてわざわざこんなに細かいお金で払うんだろう」と思っていました。
女性はそんな私の手元を見ながら、ときどき「ごめんなさいね」と申し訳なさそうに声をかけてきました。
家で数えてから持ってきた小銭だった
ようやくすべて数え終わり、先輩にも確認してもらうと、注文の代金と同じ金額になりました。
「ちょうどあります」
そう伝えると、女性はほっとしたように笑いました。
「よかった。家で数えてきたんです」
話を聞くと、財布にたまった1円玉や5円玉を家で分けて取っておき、ときどきこの店で使っているのだそうです。
商品を渡すと、女性は「手間をかけてごめんなさいね。ありがとう」と頭を下げて帰っていきました。
女性が店を出たあと、先輩が教えてくれました。
「あのお客さん、たまに来るよ。いつもちゃんと家で数えて持ってくるんだよね」
私はそこで初めて、その女性が何度か来店しているお客さまだと知りました。
十代だった私は、大量の小銭を見た瞬間に「面倒だな」「ほかの方法があるのに」と考えていました。
もちろん、お店がいつでも大量の硬貨を受け取れるとは限りません。それでも、あの日の女性には女性なりの習慣があり、店側に迷惑をかけないよう、家で金額まで数えてきていたのです。
目の前の行動だけを見ていると、その人がなぜそうしているのかまでは分からないことがあります。
ずっしりと重かったあの小銭袋を思い出すたび、十代のころの自分には見えていなかったものもあったのだと思います。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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