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「疲れて寝てるんだから、あっちに行けよ」寺の休憩用のベンチで寝ている男。だが、係員の対応に救われた瞬間

京都のお寺の日本庭園
その年の秋、私は家族そろって、京都でも名の知れた古いお寺を訪ねました。
四十代になって、こうした静かな場所のありがたみが、少しずつ分かってきた気がします。
目当てのひとつが、境内に広がる美しい日本庭園でした。
手入れの行き届いた木々と池を眺めながら歩けるようになっていて、要所には休憩用のベンチも置かれています。
ずいぶん歩き回って、さすがに足が疲れてきました。
ちょうどいいところにベンチがあったので、そこで少し休もうと近づいたのです。
ベンチを占領する男性
ところが、そのベンチには先客がいました。
五十代くらいの男性が、3人掛けのベンチに靴を履いたまま横たわり、足を伸ばして、ひとりで丸ごと占領していたのです。
座れる場所は、どこにも空いていません。
私が困って近くに立っていると、男性は薄目を開けて、面倒くさそうに言い放ちました。
「疲れて寝てるんだから、あっちに行けよ」
あまりの言い草に、言葉を失いました。
周りにも同じように休もうとしていた人が何人かいましたが、みな引いた表情で、関わらないよう目をそらして通り過ぎていきます。
波風を立てたくない気持ちは、私にもよく分かります。
それでも、休みたい人みんなのための場所が、たった一人に占領されているのは、どうにも釈然としませんでした。
係員の毅然とした一言
そのとき、庭園を見回っていたお寺の係員が、静かに歩み寄ってきました。
声を荒らげるでもなく、けれどはっきりとした口調で、男性に語りかけたのです。
「こちらは、参拝の皆さまの休憩用のベンチですので」
男性が渋い顔で黙っていると、係員はもう一言、丁寧に付け加えました。
「どうぞ、お履き物を下ろして、おかけになってお使いください」
その毅然とした物腰に、さすがの男性もばつが悪くなったのでしょう。
ゆっくりと身を起こし、ぶつぶつ言いながらも靴を下ろして、ベンチの端に座り直しました。
おかげで、ベンチは本来の休憩の場に戻りました。私も、疲れた足をようやく休めることができたのです。
呆れて見ていた周りの人たちの表情も、いつのまにかやわらいでいて、庭園の静けさが戻ってきたようでした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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