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「散歩は私が行くから!」夫に押し付けていた妻。だが、散歩の本当の理由を知り、離婚届を突きつけた

「散歩は私が行くから!」夫に押し付けていた妻。だが、散歩の本当の理由を知り、離婚届を突きつけた
犬の散歩だけ、やたら増えた
きっかけは、飼っている犬の散歩だった。
結婚して八年、それまで面倒がって私に押し付けていた妻が、ある時期から自分で行くと言い張るようになったのだ。
私がリードを手に取ると、決まって妻が割り込んでくる。
「散歩は私が行くから!」
妙に強い口調だった。三十分で済むはずの散歩が、一時間、二時間と延びていく。
帰ってくると、なぜか妻の機嫌はいつも良くなっていた。
最初は更年期のせいかとも思った。
だが、私が家にいる休日ほど、散歩の時間が長い。
私が出張で数日家を空けた後には、近所の人がぽつりと漏らした。
「奥さん、この前も若い男の人と歩いてたわよ」
(そういうことか)
胸の奥が冷たくなった。
それでも、ここで怒鳴り散らしたところで、私に残るものは何もない。私は一度、感情を脇に置くことにした。
翌朝も、妻はいつも通りリードを持って出ていった。「行ってくるね」と、まるで何事もないかのように。
私は「気をつけて」とだけ返した。声が震えないよう、意識して笑った。
荒立てず、事実だけを並べた
問い詰めれば、相手はきっと嘘を重ねる。私はしばらくの間、ただ静かに事実を確かめることにした。
散歩に出る曜日、帰る時刻、妻が口にする「用事」の中身。手帳に一つずつ書き留めていった。
妻の外出は、決まって火曜と金曜の午後だった。二時間きっかりで帰り、玄関に入る前に、いつも髪を手で整えている。
犬はといえば、散歩に疲れた様子もない。
相手が誰なのかも、そう時間はかからず分かった。
ある晩、玄関でリードを取った妻に、私は静かに声をかけた。
「その散歩、彼とだよね」
妻の手がぴたりと止まった。「何を言って…」と言いかけたきり、言葉が続かない。私はテーブルに、日付を書き留めた手帳と、一枚の離婚届を置いた。
「散歩、火曜と金曜だけずいぶん長いね。犬は元気そうなのに」
「責める気はないよ。ただ、けじめだけはつけたい」
妻は震える声で言い訳を探していた。だが、私が淡々と日付と時刻を読み上げていくと、やがて何も言えなくなった。取り乱していたのは、いつも余裕たっぷりだった妻のほうだった。
数日後、妻は黙って判を押した。あれほど強気だった人が、目も合わせず、小さくなっている。
「私が全部、悪いんです」と、妻は消え入りそうな声で言った。かつて家の中で主導権を握っていたのは、いつも妻のほうだったのに。
「これで、お互い楽になれる」
私はそう告げて、リードを手に取った。今日から犬の散歩は、私の役目だ。夕暮れの道は、思っていたよりずっと静かで、足取りは軽かった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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