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「お母さんの隣は私!」親族の集まりで私の席を奪った義妹→義母と会話しようとする私への義妹の態度にドン引き
INDEX

親戚の集まりで譲った席
義父の七回忌で、家族と義姉妹が料亭の広間に集まったときの話だ。
膝の悪い義母には足が伸ばせる座が空いていて、ちょうど壁にもたれられる位置だった。私は当然そこに座ってもらおうと、置かれていた自分の座布団を一つ横にずらした。
「お義母さん、こっちが楽ですよ。私、隣にいますね」
義母は遠慮しながらも、ありがとう、と腰を下ろしてくれた。
長旅で足が痛むと電話でこぼしていたから、これで少しは楽になるはずだ。
私が座る予定だった義母の隣の座布団は、お茶を運ぶ仲居さんが通りやすいように、まだ少し前に出したまま空けてあった。
そこへ後から襖を開けて入ってきたのが、夫の妹だった。広間をぐるりと見渡してから、まっすぐこちらへ歩いてくる。手土産を仲居さんに預ける素振りもなく、足取りには迷いがなかった。
そして、私が空けた座布団に当然のように腰を下ろした。
「お母さんの隣は私!」
笑顔だった。悪気もなさそうだった。義妹は両手を広げて義母の腕に絡め、こっち向いてよ、と甘えた。
本来そこに座るはずだった私は、座布団を持ったまま立ち往生してしまった。夫がこちらを見ないふりをしていたのも気配でわかった。だからこそ、私は何も言い返せなかった。
独占し続けた義妹
そこから法要が終わるまで、義妹は義母の取り皿に料理を取り、義母のお茶を注ぎ、義母の昔話に相槌を打ち続けた。
距離を詰めて笑い合うふたりを、私は斜め向かいの席から眺めるだけになった。間に座る親戚たちの会話が途切れるたび、ふたりだけの空気が広間全体に広がっていく。先ほどまで義母の足を気にしていたのは、結局私だけだった。
義母が「あなたも食べた?」と気にしてくれるたび、義妹は「お母さん、これも美味しいよ」と話題を別の方へ戻していった。
譲ったほうが間違いだったのだろうか。譲り合いの空気そのものが、彼女の中には初めから存在していなかったのかもしれない。考えれば考えるほど、お茶の味が遠くなっていく。義妹のグラスばかりが何度も注ぎ足され、私のお茶だけが冷めていった。
帰り際、義母が私の手をそっと握って「いつもありがとうね」と小声で言ってくれた。
その手のあたたかさだけが救いだったけれど、車に乗り込んだ瞬間、私は深いため息をついた。
譲っても、譲られても、誰にも届かないことがある。割り込まれた一席だけで、その日一日の空気が決まってしまうこともある。
五十を過ぎて初めて知った、小さくて重い出来事だった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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