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「お財布を忘れてしまって、お金が払えないんです」深夜のコンビニ。だが、何度も謝る女性に私が返した一言

「お財布を忘れてしまって、お金が払えないんです」深夜のコンビニ。だが、何度も謝る女性に私が返した一言
日付が変わる少し前、鞄を探す手が止まった
コンビニでアルバイトをしていたころのことです。
その日は日付が変わる少し前になると、お客さんがぱたりと途切れ、店内には冷蔵ケースの音だけが響いていました。
そこへ、年配の女性のお客さんが入ってこられました。かごに入っていたのは、パンと飲み物など数点です。
商品を読み取り、会計の金額をお伝えすると、女性は鞄の中を探し始めました。
財布らしいものが見つからないのか、一度手を止めてから、今度は小さなポケットまで確認しています。しばらくして、申し訳なさそうに顔を上げられました。
「ごめんなさい。お財布を忘れてしまって、お金が払えないんです」
「あ、大丈夫ですよ。こちらの商品は戻しておきますから」
そうお伝えすると、女性はさらに困ったような表情になりました。
「せっかくレジまでしてもらったのに、本当にごめんなさいね」
財布を忘れたことより、人に手間をかけたことを気にしているように見えました。
私は会計を取り消しながら、「気にしないでください。また必要なときに来てください」と声をかけました。
女性は何度も頭を下げてから、何も持たずに店を出ていきました。
三日後、同じ女性がレジへまっすぐ歩いてきた
それから三日ほど経った夜のことです。
自動ドアが開き、あの日の女性が入ってこられました。私に気づくと少し笑って、そのままレジのほうへ歩いてきました。
かごには、前回と同じようにパンと飲み物が入っています。
「この前は本当にごめんなさい。今日はちゃんと持ってきました」
そう言って、財布を少し持ち上げて見せられました。
思わず私も笑ってしまいました。
「よかったです。でも、この前のことは気にしなくて大丈夫ですよ」
すると女性は少し声を落として言いました。
「あのとき、恥ずかしくて仕方なかったの。何も言わずに普通にしてくれたから、ありがたかったのよ」
私は特別なことをしたつもりはありませんでした。ただ、誰にでも財布を忘れることくらいあると思っただけです。
それから、ときどき顔を合わせるようになった
女性はその後も、ときどき店に来られるようになりました。
長話をするわけではありません。「今日は寒いね」「雨が降りそうね」と、会計のあいだに短い言葉を交わす程度です。
あの夜、商品を渡すことはできませんでした。それでも、必要以上に問い詰めたり、恥ずかしい思いをさせたりしないことならできます。
レジに立っていると、いろいろな事情を抱えたお客さんが来られます。ほんの短いやり取りでも、その人にとっては意外と長く心に残ることがあるのだと知った出来事でした。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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