Share
「そのポーチは、妹の子どものだよ」二重生活が露見した彼。だが、信じられない言い訳に絶句

「そのポーチは、妹の子どものだよ」二重生活が露見した彼。だが、信じられない言い訳に絶句
棚の奥から出た女性物のポーチ
数年前、私には結婚を考えていた恋人がいました。穏やかで、仕事にも真面目な人でした。
ところがある時期から、週末になると決まって「実家に帰る」と言い、連絡がぷつりと途切れます。平日の夜も、話の途中で「今日は早く寝るね」と急に会話が終わることが増えていました。
小さな違和感が積もったある日、私は初めて彼の部屋に上がりました。片付けを手伝おうと棚を開けたとき、奥から見覚えのないものが出てきたのです。
女性物の化粧ポーチと、子ども向けの絵本でした。
「これ何?」
私が尋ねると、彼は一瞬、目を泳がせました。
「そのポーチは、妹の子どものだよ」
妹が子連れで泊まりに来たときの忘れ物だ、と彼は早口で言いました。けれど絵本の趣味も、ポーチの淡い色合いも、どこか取ってつけたように聞こえたのです。
家族写真で崩れた言い訳
気になってポーチを手に取ると、内側のポケットから一枚の写真がすべり落ちました。
そこには、幼い子を抱く彼と、その隣で寄り添う指輪をした女性が写っていました。日付はつい最近で、三人で出かけたときのものでした。
「これも、妹さんなの?」
私が写真を差し出すと、彼はしばらく黙り込んだあと、観念したように口を開きました。
「……実は、結婚してるんだ。でも、気持ちは君にある」
離婚するつもりだった、あと少しで話がまとまる、と彼は言葉を重ねます。けれど写真の中の彼は、幸せそうに家族へ笑いかけ、その腕の中で幼い子も屈託なく笑っていました。どう見ても、壊れかけた家庭の顔ではありません。
「離婚する人が、こんな写真を撮るの?」
私の問いに、彼はもう何も返せませんでした。視線を落とし、言いかけては口を閉じるだけです。
取り乱すより先に、私の心はすっと冷めていました。
「もう連絡しないで」
それだけ告げて、私はコートを取り、部屋を出ました。彼は追ってこようとしましたが、玄関で足を止めたきり、動けずにいました。
翌日、私は彼へのメッセージも電話も、すべて着信できないようにしました。未練を残す隙を、自分に与えたくなかったからです。
後日、共通の知人から思いがけない話を聞きました。彼は単身赴任を装い、職場でも独身で通しながら、家庭を隠して二重生活を続けていたというのです。
奥さんは妊娠中で、離婚の話など一度も出ていませんでした。すべてが、私を引き止めるためのその場しのぎだったのです。
あのとき迷わず縁を切って、本当によかった。今は穏やかな毎日を取り戻し、あの日の自分の決断を静かに誇りに思っています。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


