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「生活してれば、音も出るだろ」深夜にも鳴り続けた鈍い音。だが、止めたのは僕がつけた記録だった

「生活してれば、音も出るだろ」深夜にも鳴り続けた鈍い音。だが、止めたのは僕がつけた記録だった

朝も深夜も、決まらない時刻に響く鈍い音

以前住んでいたアパートでのことです。

ある時期から毎朝6時半ごろになると、上の階から椅子を引きずるような音や、何かを落とすような鈍い音が続くようになりました。

最初は生活音だから仕方ないと、私は自分に言い聞かせて我慢していました。

ですが休日も変わらず音が続き、寝不足で仕事中もぼんやりするようになったのです。

たまらず管理会社に相談し、張り紙をしてもらうと、一時は静かになりました。

しかし今度は、深夜にだけ同じような鈍い音が響くようになったのです。

特に困ったのは、音がする時間が決まっていないことでした。

朝に起こされる日もあれば、深夜1時すぎに突然ドンと鳴る日もある。布団に入っても「また鳴るかもしれない」と身構えるようになりました。

一度だけ、階段ですれ違ったときに、思い切って音のことを口にしてみました。

すると相手の男性は面倒そうに顔をしかめ、こう言い放ったのです。

「朝6時」

悪気はないと言いたいのでしょうが、その突き放すような物言いに、私は言葉を失いました。

直接どうこう言える相手ではないと悟り、それ以来すれ違うだけで気まずくなってしまいました。ただの挨拶ひとつにも身構えてしまう自分が、情けなくもありました。

時刻を並べた記録の一枚が、静けさを取り戻した

このまま我慢し続けるのは違う。そう考えた私は、感情でぶつかるのをやめ、事実を積み上げることにしました。

その日から、音が鳴るたびに日付と時刻を手帳に書き留めていったのです。

朝6時半、深夜1時12分、午前2時。ばらばらに見えた物音も、一覧にすると異常な回数と時間帯がはっきり浮かび上がりました。

2週間ぶんの記録がたまったところで、私はその一枚を管理会社へ持って行きました。

担当者は時刻の並んだ紙にじっと目を落とし、「これは確かにひどいですね」と表情を変えました。

感情に任せて訴えていたら、きっとこうはならなかったでしょう。

感情的な苦情ではなく、日時の並んだ客観的な記録。

それが効いたのだと思います。管理会社はすぐに上の階へ正式な通知を出し、改善を求めてくれました。

それからでした。あれほど不規則に響いていた鈍い音が、ぴたりとやんだのです。

朝も深夜も、耳をすませても何も聞こえない。久しぶりに、朝まで一度も目を覚まさずに眠れました。

廊下ですれ違っても、もう相手の顔色をうかがう必要はありません。書き留めた一枚の紙が、私の穏やかな眠りを静かに取り戻してくれたのです。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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