Share
「いるのは分かってますよ」突然玄関のドアを開けようとした隣人→非常識な行動に思わず恐怖した

距離感の近すぎる隣人
アパートの隣室に、ひとりの男性が越してきた。挨拶を交わした最初から、どこか距離感の近い人だった。
廊下ですれ違うたびに話しかけてきて、こちらの暮らしぶりを細かく気にかけてくる。
はじめは人懐こいだけかと思っていた。けれど、会話の端々に混じる言葉が、次第に引っかかるようになった。
「今日は19時に帰宅でしたね」。「昨日は遅かったですね」。私が何時に帰り、何時に出ていくのか、まるで見ていたかのように言い当ててくる。話した覚えのない予定まで知られていて、そのたびに背筋がひやりとした。
会うたびに募る違和感を、気のせいだと思い込もうとしていた。深く関わらなければいい。そう自分に言い聞かせて、私はできるだけ彼と顔を合わせないよう暮らすようになった。
ドアノブを回し続けた夜
そんなある晩、部屋のチャイムが鳴った。時計を見れば、もう夜も遅い時間だ。心当たりのない訪問に、私は玄関の覗き穴からそっと外をうかがった。
立っていたのは、あの隣室の男性だった。
関わりたくない一心で、私は居留守を決め込んだ。
息を殺し、物音を立てないよう玄関から離れようとした、そのときだった。ドアノブがガチャガチャと激しく回された。
鍵をかけていなければ、そのまま開いていたであろう勢いだった。
凍りついて動けずにいると、ドアの向こうから低い声がした。
「いるのは分かってますよ、一緒に飲みませんか?」
心臓が跳ねた。灯りは消していたし、テレビの音も立てていない。
それなのに、なぜ在宅だと言い切れるのか。答えは、あとになって嫌でも分かった。
彼は自室のドアを細く開けて廊下を見張り、私の足音と帰宅の時刻を毎日欠かさず把握していたのだ。何時に帰宅と言い当てられたのも、すべてそこから来ていた。
私は数日と待たずに管理会社へ相談した。
だが、鍵は無事で実害もない以上、注意はできても退去までは求められないと言われるだけだった。
誰も動いてくれないなら、自分の身は自分で守るしかない。
私は早々に引っ越しを決めた。荷物をまとめる間も、壁一枚向こうの気配が怖くてたまらなかった。今でも、玄関のドアノブが回る音を思い出すと、体がすくむ。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


