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「全部私が指導しました」10歳上の先輩に手柄を取られた。だが、提出した資料に潜ませた罠で立場が逆転

スマホを見ながら定時に消える先輩
職場に、10歳上の先輩がいる。
「今忙しいからこれお願いね」
その言葉とともに、面倒な事務作業が私のデスクに積み上がっていく。先輩はスマホを操作しながら定時きっかりに退勤し、翌朝は何事もなかった顔で出社する。
こちらが深夜まで残業していたことなど、知る由もない顔をしている。
問題は、それだけで終わらないことだった。
上司の前では、私が作成した資料を堂々と自分の功績として紹介する。
「全部私が指導しました」
その言葉を初めて聞いたとき、耳を疑った。
深夜まで数値を調べ、表を作り直し、修正を重ねたのは私だ。
先輩は一度も中身を確認していない。それでも上司の前でその台詞が出る。
上司が「そうか、先輩の指導がよかったんだな」と頷く光景を、何度も見てきた。モヤモヤが積もるばかりの日々が続いた。
空欄の資料が、会議室で先輩を追い詰めた
ある月、部長への重要なプレゼン資料の作成を、また先輩に横取りされた。
「この資料、私が取りまとめるから、あなたがたたき台を作っといて」
いつものパターンだった。今回は、少し違うことをした。
資料を一通り仕上げ、最後の数か所の計算式だけを空欄のままにした。
完成版に見えるが、核心の数字だけが抜けている。その上で先輩へ声をかけた。
「最終的な数字のチェックだけは、責任者である先輩にお願いしますね」
先輩は「わかった」とだけ言い、中身をざっと眺めるそぶりもせず受け取った。
この時点で先輩は、自分が何を引き受けたか気づいていなかった。
会議の日、部長が資料の途中でページを止めた。
「ここ、数字が入っていないけれど?」
先輩の顔が固まった。しどろもどろに言葉を探す先輩を見ながら、私は静かに立ち上がった。
「すみません、先輩に最終確認をお願いしていた箇所です。補足資料を用意してありますので」
修正版の数字を部長の前に置くと、室内が静かになった。
「今回は全部君がやったんだね」
先輩は真っ赤な顔で下を向いたまま、何も言わなかった。
会議が終わっても、先輩は私と目を合わせなかった。
それ以来、先輩が私のデスクに仕事を置きに来ることは、ぴたりとなくなった。
廊下で顔を合わせると、先輩は会釈だけして足を早める。
何も言わなくていい。あの会議室の沈黙が、すべてを伝えていた。
後日、別の同僚から「最近あの先輩、自分の仕事は自分でやってるみたいだね」と耳打ちされた。
10歳上の手柄泥棒に、ようやくその役を引き受けてもらえた瞬間だった。胸の奥でずっと押さえつけていたものが、ようやくほどけた気がした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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