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「え、この人なにやってんの?」レジで堂々と割り込んだ客。だが、近くで品出ししてたスタッフの一言で状況が一変

レジの列に割り込んできた人
買い物帰りの夕方、近所のスーパーのレジに並んでいたときのことだ。
前に三人ほどいて、私はカゴを持ちながら静かに待っていた。
仕事帰りで足は少し疲れていたけれど、混んでいる時間だから仕方ない。
前の客が財布を出す様子を眺めながら、ぼんやり立っていた。
ようやく前の客が会計を終えて、次は私の番というところだった。
一歩前に出ようとした、その瞬間だった。
横から中年の女性がすっと入り込んできた。視界の端からほとんど間を置かず現れて、カゴをレジ台にどんと乗せた。
まるで最初からそこにいたかのような涼しい顔をしている。
(え、この人なにやってんの?)
心のなかで声が出た。後ろに並んでいる人たちも気づいているようで、小さなざわめきが起きた。
でも誰も声に出せない。私も口を開きかけて、やめた。場が荒れるのが嫌だったし、何より相手がどう出るか分からなかった。
レジ台に乗ったカゴを前に、女性は堂々と立っている。
こちらの視線など気にする様子もない。こういう人に何を言っても無駄な気がして、私はただ立ったまま、胸のあたりがじわじわ熱くなるのを感じていた。
モヤモヤしながら立っていると、背後から穏やかな声がした。
店員の静かな一言
振り返ると、品出し中だったらしい店員が列の近くに静かに立っていた。エプロン姿のまま、女性のほうへ目を向けている。
「こちらが最後尾です」
大きな声でも、怒気を含んだ声でもない。ただ静かに、はっきりと。
割り込んできた女性がこわばった顔で店員を見た。店員は笑顔のまま、列の後ろをそっと手で示した。
女性はしばらく固まっていたが、何も言わずカゴを持って列の後ろへ移動した。
店員は何事もなかったように品出しの作業へ戻っていった。
周囲がほっとした空気になったのが、肌で感じられた。後ろの人が静かに息を吐くのが聞こえた気がした。
私もようやく肩から力が抜けた。声を荒げるわけでも、誰かを傷つけるわけでもなく、ただ静かに場を整えてくれた。
自分では動けなかった場面で、誰かが動いてくれた。
たった一言なのに、不思議なほど胸がすっきりした。
見ていてくれる人がいる。それだけで、普通の夕方の帰り道が少し違って見えた。
あの店員はたぶん、特別なことをしたつもりなどないだろう。
でも、私にとってはずっと覚えている出来事になった。理不尽なことが起きたとき、自分一人では動けない。でも誰かが静かに動いてくれると、場が変わる。そのことを改めて教えてもらった気がした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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