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「あんた、こんなのも分からないの?」指示がコロコロ変わる上司。3ヶ月後、我慢出来ずに退職した

入れ替わりの激しい歯科医院に流れていた空気
二十代の頃、私は小さな歯科医院で受付と歯科助手を兼ねるかたちで働いていました。
最初に挨拶した日に、出ていく途中の先輩からぽつりと耳打ちされた一言があります。
「ここ、人の入れ替わりが激しいから、気をつけてね」
当時の私には、何のことかよく分かりませんでした。
そのうち分かるよ、と苦笑して帰っていく先輩の背中を、不思議な気持ちで見送ったのを覚えています。
働き始めて気づいたのは、医院のリーダーが院長夫人だということでした。
診療の現場は院長が回しますが、シフト、休憩、予約の組み方、そういった日々の判断はすべて夫人の手元にあります。
その夫人が、極端な気分屋でした。朝の挨拶の声色で、その日の天気が決まる。
私たち受付や歯科助手のメンバーは、出勤して靴を履き替える時から、もうその日の空気を読み取ろうと耳を澄ましていました。
予約の組み方ひとつでひっくり返る指示
気分屋なだけならまだ耐えられたかもしれません。
問題は、衛生士の先輩たちには辞められたくないからと、別人のように優しい顔を作るところでした。
受付や歯科助手の私には無口で通すかと思えば、休憩時間に入った瞬間、別件の不満を一時間近く吐き出し続ける日もあります。
お弁当を広げる手が止まったまま、ただ相槌を打って時間が過ぎていきました。
ある日、夫人から指示を受けました。スケーリングの予約は、衛生士の先輩がいる午前のうちに詰めて入れてほしいと。
私はその通りに予約表を組み、何日か運用していたのです。
「あんた、こんなのも分からないの?」
数日後、夫人が眉を寄せて私の手元を覗き込みながら、低い声でそう吐き捨てました。
バランスよく午後にも振っておくのが当然でしょう、と頭ごなしの口調です。指示と違うことを言われていることに気づくのに、数秒かかりました。
(いや、午前に詰めてって言ったのは、あなたですよね)
声に出すことはできませんでした。指摘した瞬間に空気がもっと荒れることを、もう私は知っていたからです。「すみません、組み直します」と頭を下げる以外、選べる選択肢はありませんでした。
そういうことが積み重なるうち、出勤前に動悸がするようになり、休みの日も予約表のことばかり考えてしまうようになりました。これ以上は持たないと感じて、入職から3か月で私は退職を決めたのです。辞めた頃から、また同じように人が入れ替わり始めたと、後から人づてに聞きました。あの時の先輩の一言の意味が、ようやくはっきりと分かったのでした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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