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「4が4つも並んで、嫌な数字ね」レジの金額を見て表情が曇った客。だが、店員の一言が客の気持ちを変えた

「4が4つも並んで、嫌な数字ね」レジの金額を見て表情が曇った客。だが、店員の一言が客の気持ちを変えた
画面にそろった数字
スーパーのレジに立っていた頃の話です。
夕方の時間帯は、かごが山盛りのお客様が続きます。
手を止めずに商品を通していると、頭の中は数字でいっぱいになりました。
レジ打ちの仕事は、指と目でリズムを作ります。バーコードの向きをそろえて、卵とパンは最後に回す。
それだけのことでも、体に入るまでには何年もかかりました。
その日も、常連の女性からかごを預かりました。
牛乳、卵、鶏肉、青菜。今夜の食卓が見えるようなかごです。最後の一点を通したところで、画面に合計が出ました。
4444円。
(わあ、すごい。ゾロ目だ)
十年以上レジを打ってきましたが、こんなにきれいにそろったのは数えるほどでした。
曇ったお客様の顔
ところが、画面をのぞき込んだお客様の眉が、すっと寄ったのです。
「4が4つも並んで、嫌な数字ね」
声は小さくて、私にだけ聞こえるくらいでした。
4を気にされる方は少なくありません。
番号を飛ばす建物があるくらいですから、良い気はしないのだと思います。
お財布を出す手も、少しゆっくりになりました。
「今日はいいことがなかったのに、最後までこれなんですもの」
いつも同じ時間に来られて、かごの端にお惣菜をひとつ置いていく方でした。挨拶を交わすくらいの間柄です。
笑ってはいましたが、目のあたりだけが硬いままでした。
言葉が出るまでに、間はありませんでした。
「シアワセのシですよ」
自分でも、どこから出てきたのか分かりません。気づいたときには、そう言っていたのです。
列まで届いた小さな笑い
お客様が、はっと顔を上げました。
「あ、そうですね」
目のあたりが、ふわりとゆるみます。
「シアワセですね。ありがとうございます」
後ろに並んでいた男性のお客様が、小さく笑うのが聞こえました。
「それ、いいですね。次は僕も狙います」
「なかなか出ませんよ」
そう返したら、列の前のほうでも笑い声がいくつか重なりました。さっきまで、みんな黙って順番を待っていた列です。
金額はひとつも変わっていません。画面には4444円が出たままです。
動いたのは、それを見るお客様の顔のほうでした。
お客様はレシートを財布にしまって、袋詰めの台へ歩いていきました。背中が、来たときより少し軽く見えたのです。
そのあとも私はレジを打ち続けました。混んでいましたから、余韻にひたる暇などありません。
それでも、あの一言だけは何年も残りました。マニュアルにも研修にも、どこにも書いていない言葉です。
「シアワセのレジの人でしょ」
後日そう言われて、私は思わず吹き出してしまいました。あのときのほどけた顔は、今も忘れられません。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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