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「父さん、商店街がテレビでやってるよ」映っていたのは近所の住民への街頭インタビュー。だが、住民の発言に我が家が凍りついたワケ

「父さん、商店街がテレビでやってるよ」映っていたのは近所の住民への街頭インタビュー。だが、住民の発言に我が家が凍りついたワケ
孫に会える夏、商店街への買い出し
息子が所帯を持ち、子どもが生まれてからというもの、夏休みには家族を連れて帰省してくれるようになった。
息子に会えるのも嬉しいが、それ以上に、生まれたばかりの初孫に会えるのが、私には何よりの楽しみだった。
今年もその季節がやってきて、我が家は朝から少しそわそわしていた。
とはいえ、嫁にとって夫の実家は気の張る場所だろう。
泊まりの帰省ともなればなおさらで、気を遣うのはお互いさまだ。
実を言えば、うちの妻と嫁は、どうにも相性が良くない。
顔を合わせれば表面上は穏やかでも、その裏でぴりぴりとした空気が流れているのを、私はいつも肌で感じていた。
それでも、せっかくの帰省くらいは気持ちよく過ごしてほしい。
息子に「何が食べたい」と聞くと、迷わず「焼肉」と返ってきた。
私はさっそく、近所の商店街へ肉を買い出しに出かけた。
その日は妙に人出が多く、カメラのようなものを担いだ一団も見かけたが、その時は特に気にも留めなかった。
茶の間のテレビに、映し出された我が家の事情
両手に袋を提げて家に戻ると、息子が茶の間のテレビを指さした。
「父さん、商店街がテレビでやってるよ」
なるほど、さっきの人だかりはこれかと合点がいった。
画面に映っていたのは、いつもの商店街の街頭インタビューだった。
ところが、マイクを向けられていたのは、日ごろ親しくしているご近所さんだった。
「何か気になることはありますか」というアナウンサーの問いに、その人はにこやかに、しかしはっきりとこう答えたのだ。
「◯◯さん夫婦が焼肉を買いに来てましたよ」
続けてその人は、「そこのお宅、奥さんとお嫁さんの相性が悪いって、ご主人が気が気じゃないって言ってたから、帰省してどうなるか気になってるんです」と、生放送の電波に乗せて語り続けた。
それは紛れもなく、私が何の気なしに漏らした我が家の内情そのものだった。
茶の間の空気が、音を立てて凍りついた。
妻の顔がこわばり、嫁の表情がすっと消える。
息子は画面と私を交互に見て、言葉を失っている。
無邪気に笑っているのは、何も知らない孫だけだった。
誰かがひと言でも口を開けば、この場のすべてが崩れてしまう。
そんな気がして、私も、妻も、嫁も、ただテレビを見つめたまま動けなかった。
結局、誰も何も言わないまま、その夜は静かに過ぎていった。
あの沈黙が何を意味していたのか、私は今も、確かめる勇気を持てずにいる。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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