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【怪談】「一番安い部屋で構いません」電気を消すと襖に女の影、翌朝に主人が明かした真相

【怪談】「一番安い部屋で構いません」電気を消すと襖に女の影、翌朝に主人が明かした真相

堅実な叔父の話

これは、亡くなった母の弟から聞いた話です。私にとっては叔父にあたるその人は、自動車関係の会社を営み、それなりに財を築いた人でした。

けれど派手なところは少しもなく、贅沢とは無縁の、驚くほど堅実な人柄でした。

ある年、叔父は仕事で西のほうの街へ出張することになりました。

予定が長引き、その晩に泊まる宿を、急いで探すことになったそうです。

ふらりと入ったのは、かなり年季の入った、古い旅館でした。

「今夜、一部屋お願いできますか」

「ええ、空いておりますよ。どのようなお部屋を」

「寝られれば、それで十分です」

そう言って、叔父はこう続けたそうです。

「一番安い部屋で構いません」

宿の主人は、少しだけ間を置いてから応じました。

「……承知いたしました」

案内されたのは、廊下の突き当たりにある、こぢんまりとした和室でした。

襖に浮かぶ影

その夜、叔父は床につこうと、部屋の電気を消しました。

すると、暗くなった部屋の押し入れ、その襖に、ぼんやりと女性の影が浮かび上がったのです。

驚いて、すぐに明かりをつけました。影は、跡形もなく消えています。疲れているのだろう、見間違いだろう。

叔父は自分にそう言い聞かせ、もう一度、電気を消しました。

すると、また同じ場所に、女性の影がゆっくりと浮かびます。

今度は、こちらをじっと見ているようでした。さすがの叔父も、その晩は明かりをつけたまま、朝を迎えたそうです。

翌朝、叔父は宿の主人に、昨夜のことを打ち明けました。

ところが主人は、驚きもせず、静かにこう言いました。

「あのお部屋では、昔、お一人の女性がお亡くなりになったのです」

「では、あの影は…」

「さあ。私どもにも、分かりかねます」

主人が言うには、その部屋はふだん、客には案内しないのだそうです。

ただ、今回の叔父のように、一番安い部屋でいい、どんな部屋でも構わない、とあえて望む客にだけ、通すことがある。

そして決まって、泊まった客は皆、同じことを口にするのだと。

出張から戻った叔父は、その足で母のもとを訪ね、この話をしたそうです。

母も叔父も、人をからかうような人ではありません。

叔父も母も、とうに世を去りました。

あの襖の影が何だったのか、今も私には分かりません。

ただ、昭和のあの日、この話を語ったときの母の真剣なまなざしだけは、今もはっきりと目に残っているのです。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、60代以上・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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